Azureを利用したファイルストレージについて

Microsoft Azureのファイルストレージサービスとは?

Azureはファイルストレージサービスとして「Azure Storage」を展開しています。このAzure Storageには4種類のデータサービスが存在し、

・Azure BLOB:オブジェクト単位でデータは保管され、HTTP/HTTPS経由でアクセスすることが出来るオブジェクトストレージ。

・Azure Files:SMBプロトコルに対応しているのでファイルシステムとしてマウント出来るファイルストレージ。

・Azure Queue storage:システムの独立性を高めるためにメッセージ指向ミドルウェアとして利用することが出来るメッセージストレージ。

・Azure Table storage:前もってデータ構造を定義せずともデータの読み書きを行えう事ができるNoSQLデータベース。

以上の4種類が提供されており、用途に応じてサービスを利用することが可能です。今回はこのうちの「Azure Files」についてご紹介させて頂きます。

Azure Filesの概要

世界中どこにいても複数の仮想マシンなどの間でネットワークを用いて同一のファイルシステムを共有することが出来る、いわゆるファイル共有サービスです。
Azure Filesの利用形態はPaaSを用いており、ストレージサーバーのハード・ソフトウェアの保守・管理はAzure側が行ってくれるため、サーバーの構築・運用に必要な負荷を軽減することが出来ます。
さらにAzure FilesではServer Message Blockプロトコル(SMB)に対応しており、これによりWindowsやLinux等のOSからファイルシステムとしてアクセスすることが可能となるため、通常のファイル操作と同じようにファイルを扱うことが出来ます。
加えて、前述の通りHTTP/HTTPSによるアクセスも可能とするREST APIを備えており、その他のプログラムからAzure Filesのデータにアクセスが可能になっています。

Azure Filesを使う前に

Azure Filesを利用するにあたり「ストレージアカウント」「Azureファイル共有」を作成する必要があります。

「ストレージアカウント」の作成方法

Azure Portalの上部にある検索ウインドウへ「ストレージアカウント」と入力し検索することでストレージアカウントのページが表示されます。表示されたストレージアカウントの詳細ページ内に表示される「ストレージアカウントの作成」をクリックします。ストレージアカウント作成のページが表示された後、画面に表示される内容に沿って自身の情報を入力していきます。入力が完了したらページ下部にある作成ボタンを押し、ストレージアカウントの作成を行います。作成中は「デプロイが進行中です。」と表示され、ステータスが「デプロイが完了しました」と表示されると無事にアカウントの作成は完了です。

「Azureファイル共有」の作成方法

アカウントを作成後、Azure Filesにおいてファイルサーバーに該当するリソースの「Azureファイル共有」を作成します。まず先程のページ中央にある「リソースに移動」ボタンをクリックしリソースページに移動します。表示されたページにある4種類のストレージの中から「ファイル共有」をクリックします。ページが表示されたらページ上部にある「ファイル共有」をクリックしファイル共有フォームが表示されます。表示されたフォームに「名前」「クォータ」を入力し作成ボタンをクリックします。以上が完了すると作成されたAzureファイル共有の一覧が表示されます。作成されたファイル名をクリックし、詳細ページへと移動してアップロードからファイルのアップロードが可能となります。

Azure Filesを使う

「ストレージアカウント」「Azureファイル共有」が完了したらファイルをアップロードし、共有化を図りましょう。

ファイルをアップロード

アップロードしたいファイルはAzureファイル共有の詳細ページ上部にある「アップロードボタン」からアップロードすることが出来ます。

アップロードされたファイルは一覧に表示されます。ファイルを選択するとプロパティが確認出来、そのプロパティ上部の「ダウンロード」ボタンでダウンロードすることも可能です。

Azure Filesの基本的な運用方法

一例としてAzure Filesを使った仮想マシン同士でのファイル共有方法をご紹介します。

①先述の通りにAzureファイル共有を作成した後、Azureファイル共有詳細ページ上部にある「接続」ボタンをクリックすると接続のためのPower Shellコマンドが表示されるため、これを控えます。
②次にAzure Portal上部にある検索窓に「Virtual Machines」と検索し、仮想マシン一覧へ移動して、1台目の仮想マシンを起動します。そしてリモートデスクトップ接続を行った後、ファイルシステムをマウントしてファイルを書き込みます。※仮想マシン起動時、作成するリージョンはストレージアカウントを作成したリージョンと同じでなければなりません。
③仮想マシンへ接続を行った後、「①」で控えたPower Shellのコマンドを実行してファイルシステムをマウントします。マウントが完了するとエクスプローラーが起動し、ナビゲーションに含まれている「This PC」を展開し、Zドライブを選択します。今回はZドライブでコンテキストメニューを利用するなどしてテストファイルを作成します。
④2台目の仮想マシンを起動し、リモートデスクトップ接続を行ってファイルシステムをマウントします。そして作成したテストファイルを読み込みます。手順としては1台目と同じです。以上で複数のPC間でファイルの共有を図ることが出来ます。

クリーンアップの方法

①アップロードしたファイルの削除方法:Azureファイル共有の詳細ページ上部にある「共有の削除」をクリックするとアップロードされたファイルの消去が完了します。
②ストレージアカウントの削除:ストレージアカウントのページに移動し、ページ上部の「削除」をクリックすることで行えます。
③仮想マシンの削除:仮想マシンのリソースを同じリソースグループに含めた場合、このリソースグループを削除するだけで全てのリソースを削除出来ます。しかし、リソースグループが別々であった場合はそれぞれのグループを一つ一つ削除する必要があります。

結論

いかがだったでしょうか。Azureでは今回詳しくご紹介した「Azure Files」の他にもファイルストレージサービスがあります。ご自身が必要とされているサービスに合わせて賢く利用し、比較的手軽にファイルサーバーを構築・運用を行えます。もしファイル共有が必要になった場合に一つの候補として検討くだされば幸いです。最後まで読了頂きありがとうございました。

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