Azure Backupの料金は?
はじめに
データのバックアップを取ることは非常に大切です。またそれに伴ってバックアップを保管するツールも重要となってきます。本記事では、Azure Backupに焦点を当て、まずAzure Backupがどのようなツールなのかを説明した後、本題となる料金についてご紹介していきます。
Azure Backupとは
Azure Backupは「Microsoft Azure」が提供しているバックアップ・リストアのサービスです。バックアップ方式は完全バックアップ、差分バックアップ、増分バックアップの三種類があります。バックアップデータには保持期間が存在し、期間をすぎるとデータは消えてしまうため注意が必要です。
Azure Backupの価格モデル
Azure Backupの料金モデルは2つの構成要素があります。1つは保護されたインスタンス、もう1つはストレージです。保護されたインスタンスは基本的な請求単位で、保護するインスタンスの数に応じて料金が決まります。またストレージは格納するデータの量に応じて異なります。
Azure Backupの料金と提供内容
Azure Backupにはバックアップオプションが複数あり、それに伴って値段も変化していきます。ここではそのプランのご紹介をしていきます。
1.Azure VMとオンプレミスサーバーのバックアップ
このプランは Azure IaaS VM バックアップ、Azure Backup エージェント、System Center DPM、Microsoft Azure Backup Server のいずれかを使用して仮想マシン、もしくは物理サーバーをバックアップする際の料金です。仮想マシンの場合は、実際のVMサイズをもとに算出され、物理サーバーの場合はバックアップ対象のデータベースのサイズが、インスタンスのサイズとなっています。ローカル冗長ストレージ (LRS) と Geo 冗長ストレージ (GRS) のどちらかを選ぶことができ、どちらもブロックBlobストレージです。以下の表がインスタンス、及びストレージについての料金表である。
各インスタンスのサイズ | Azure Backup 月額 |
---|---|
インスタンスが 50 GB 以下 | ¥560 + 使用したストレージ |
インスタンスが 50 GB より大きいが、500 GB 以下 | ¥1,120 + 使用したストレージ |
インスタンスは 500 GB より大きい | 500 GB の増分ごとに ¥1,120 + 使用したストレージ |
ストレージ名 | LRS | GRS | RA-GRS |
---|---|---|---|
ストレージ(GB/月) | ¥2.5088/GB | ¥5.0176/GB | 無料 |
※2020年4月24日時点での値段である。RA-GRSはプレビュー価格となっており、5月31日までは無料で利用できる。
[計算式]
「各インスタンスのサイズの月額」 × 「保護するインスタンスの台数」 + 「保存したデータ量」 × 「ストレージの値段(LRS、GRS、RA-GRS)」
そこで算出された値が総合的な料金となっています。この計算式は他のプランも同じです。
2.Azure VM 上の SQL Server のバックアップ
このプランは、圧縮または暗号化前のバックアップ済みデータをもとに料金が算出されます。各インスタンスのサイズは、バックアップ対象として構成されたデータベースのサイズです。SQL Server 可用性グループの場合は、可用性グループでバックアップ対象として構成されたデータベースのサイズで決まります。このプランもローカル冗長ストレージ (LRS) と Geo 冗長ストレージ (GRS) のどちらかを選ぶことができます。以下の表がインスタンス、及びストレージについての料金表です。
各インスタンスのサイズ | AZURE BACKUP 月額 |
---|---|
インスタンスが 500 GB 以下 | ¥4,060 + 使用したストレージ |
インスタンスが 500 GB より大きい | 500 GB の増分ごとに ¥4,060 + 使用したストレージ |
ストレージ名 | LRS | GRS | RA-GRS |
---|---|---|---|
ストレージ(GB/月) | ¥2.5088/GB | ¥5.0176/GB | ¥9.24/GB |
※2020年4月24日時点での値段である。RA-GRSはプレビュー価格となっており、5月31日までは無料で利用できます。
3.Azure VM での SAP HANA のバックアップ
このプランは圧縮または暗号化前のバックアップ済みデータをもとに料金が算出されます。4月24日時点では、スケールアップ デプロイ (例: 1 つの Azure VM 内の SAP HANA サーバー) に対してのみ利用可能です。このプランもローカル冗長ストレージ (LRS) と Geo 冗長ストレージ (GRS) のどちらかを選ぶことができます。以下の表がインスタンス、及びストレージについての料金表です。
各インスタンスのサイズ | AZURE BACKUP 月額 |
---|---|
インスタンスが 500 GB 以下 | ¥12,992 + 使用したストレージ |
インスタンスが 500 GB より大きい | 500 GB の増分ごとに ¥12,992 + 使用したストレージ |
ストレージ名 | LRS | GRS |
---|---|---|
ストレージ(GB/月) | ¥2.5088/GB | ¥5.0176/GB |
4.Azure File のバックアップ(日本では利用ができない)
このプランは、ストレージ内の前共有ファイルの合計サイズによって、インスタンスサイズが決まります。また、回復ポイント作成のため Azure ファイル共有スナップショットを使用する。スナップショットに発生した料金は、Azure Files の使用量と共に請求されます。このプランは日本では利用することが出来ないため、料金の説明は割愛します。
まとめ
現在Azure Backupが提供しているプランは以上の4つになります。うち1つは日本では利用ができませんが、今後日本でも利用できるようになる可能性もあります。Azure Backupは個々に合わせたプランが選べるので、自分に合ったプランを選ぶことが出来るのが利点です。今後も時代に合わせて値段や新しいプランが日々提供されてくるはずです。その度、自分のデータ量に合わせたプラン選びを心がけていきましょう。