Azureサブスクリプションの管理と料金

はじめに

2020年現在、様々な分野でサブスクリプションというサービスが普及しており、一般的にはお得な定額サービスとして注目を浴びています。今回はMicrosoft Azureサブスクリプションの管理や特徴、そして料金についてご紹介いたします。

Microsoft Azureサブスクリプションについて

一般的なサブスクリプション

レンタルとの違いは、ひとつの商品に代金を直接支払わないことにあります。一定の金額を支払い、一定の期間で商品棚を丸ごと借りるようなイメージで、期間中であれば追加料金なしで商品の交換ができます。

Azureにおけるサブスクリプション

Microsoft社が提供するクラウド・コンピューティングサービス、Azureにおけるサブスクリプションにはお得な定額サービスだけでなくリソースグループの管理という仕組みも取り入れられているので、サブスクリプションの管理と一緒に掘り下げて見ていきます。

サブスクリプションの管理

サブスクリプションを管理するための4つの役職があります。エンタープライズ管理者、部署管理者、アカウント管理者、サービス管理者、共同管理者です。この役割を持った人が管理者と呼ばれます。エンタープライズ管理者は、Enterprise Agreement(EA)契約での全体の管理者で、アカウント管理者の管理も行います。管理ポータル(EAポータル)へのアクセス権限はありません。部署管理者は、コストの管理者で、クォータの制限をします。管理ポータルへのアクセス権限はありません。アカウント管理者は、予算の管理者で、プロジェクトと予算の管理をします。サブスクリプションの作成とサービス管理者の管理も行います。メンテナンス情報のメール通知が届きます。管理ポータルへのアクセス権限はありません。サービス管理者は、 管理ポータルの管理者で、課金管理、リソース管理、共同管理者の管理も行います。EA・アカウントポータルへのアクセス権限はありません。共同管理者は、サービス管理者と似ていますが違いとしては、共同管理者の管理ができないという所と、サブスクリプション毎にいる管理者の数です。共同管理者はひとつのサブスクリプションに200人登録できるのに対して、サービス管理者はひとつのサブスクリプションに一人しか登録できません。サービス管理者は共同管理者の親玉のようなものです。

Azure Portal

Azure Portalはコマンドラインツール(CUI)に代えて使用できるWebがベースの統合コンソールです。Azure Portalではサブスクリプションの管理をすることができます。サブスクリプション毎の課金状況の詳細から、 世界中にあるAzureデータセンターのサービス提供状況、Azure Marketplaceへの移動、ヘルプとサポート、フィードバックなど様々な機能がついており、UIもとても見やすく表示されています。全てのAzureデータセンターにプレゼンスがあるので速度低下を回避でき、断続的に更新されるのでメンテナンスによるダウンも起こりません。

料金について

利用料金の仕組み

Azureでは契約時にサブスクリプションを指定する必要があります。利用料金はサービス利用開始時に指定したサブスクリプションに集約され、各サブスクリプションごとの合計で請求されます。基本的にAzureで発生した料金はクレジットカードでの支払いになりますが、先ほど挙げたAzure Portalの「ヘルプとサポート」からサポートリクエストを送ることによって、請求書での支払いに切り替えることができます。

AWS、GCPとの違い

クラウド業界で大幅なシェア率を誇り三大クラウドと呼ばれる、AWS、GCP、 Azureの内、日本と変わらず日本円で支払いができるのは Azureだけです。GCPの支払いは米ドルのみ、AWSでは米ドルと日本円での支払いは一応可能ですが、日本企業が一般的に利用する請求書払いができません。AWSと企業の間にAWSのパートナー会社を挟み、パートナー会社に日本円で支払いをするという請求代行サービスというものもあります。しかしパートナー会社を挟むことにデメリットがあり、タイムラグや一部サービスの利用が出来ない場合があります。為替の関係で米ドルで支払うこと自体にリスクがあるので日本円で支払いができるということはAzureの強みになります。

契約の種類と課金構造

Microsoftのボリュームライセンス(複数の利用権をまとめて、割引価格で提供する販売形態)は、 Azureを導入する環境の規模によって契約内容を変え、より効率的な課金集計をできるようにする仕組みです。企業向けとしてはEnterprise Agreement(EA)、Select License、Open License、Open Valueの4つがあります。Enterprise AgreementとSelect Licenseは250台以上のPCを導入していること、Open LicenseとOpen Valueは5台以上のPCを導入していることが条件となっています。企業で Azureを導入する際にはコスト管理がとても重要です。毎月個別のアカウントごとに支払いをしていては企業のコスト管理が行き届かなくなってしまい、大きな損失に繋がる恐れがあります。そのためにボリュームライセンスを活用し、年単位の前払い契約を結び、確実にコスト管理を実施することが推奨されています。

終わりに

ここまで Azure サブスクリプションについて簡単にまとめてきましたが、雰囲気だけでも掴んでいただけたでしょうか。Azureは全体的に非常にわかりやすいUIとなっておりますので、実際に画面を見ていただけたら直感的にわかることも多いかと思います。ぜひ一度検索をかけて視覚的に雰囲気を感じ取っていただけたら幸いです。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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