日本にあるAzure|日本のAzure

はじめに

今やAzureといえばITエンジニアなら誰もが知っているMicrosoft社が提供するクラウドプラットフォームですが、Azureのリージョンが世界中にいくつ存在しているかご存じでしょうか。世界中では約60以上のリージョンが存在し、それらを利用可能な国の数はなんと140か国もあります。正確な数こそ把握していなかっても、60あるリージョンのうち、日本国内にも東日本、西日本の2か所にリージョンが存在していることをご存じの方は多いでしょう。東日本では埼玉と東京に存在し、西日本では大阪に存在しています。なお、データセンターの詳細な場所は記載されていませんでした。

日本国内にあるAzureデータセンターの数

先ほどの文章の中で、おかしいなと感じた部分はありませんでしたか。疑問に感じたのはおそらく「日本国内にも東日本、西日本の2か所にリージョンが存在している」「東日本では埼玉と東京に存在し、西日本では大阪に存在」の箇所のはずです。日本国内で2か所といっているのに、東日本だけで既に2か所あるじゃないか。それに加えて西日本にあるデータセンターも含めたら合計3か所のはずだ、と思われるかもしれません。しかし、これでいいのです。どういうことかというと、Azureのリージョンはデータセンターの個数の単位ではなく、複数のデータセンターの集合の単位のことを指し示すからです。つまり、1リージョンには2つ以上のデータセンターが存在することになり、東日本のリージョンでいうと、埼玉県と東京都に複数のデータセンターが構成されているというわけです。東京都は面積が狭いので、お隣の埼玉県へ建造されました。
さて、これでリージョン数が2か所なのに3つの地名がでてくるのはおかしいという疑問は解決できたと思いますが、残念ながらAzureデータセンターの具体的な数は記載されていませんでした。

国内に2か所ある理由

日本国内に東日本と西日本の2か所にリージョンが存在している理由としては、主に大規模災害に備えた高可用性を担保するためです。どちらか片方が甚大な被害を受け、運用不可となった場合に、無事だったもう片方にデータを同期するなどの対処を行います。そのため、リージョン間はおよそ100㎞ほど離れており、なおかつ通信時間に影響が出ない範囲の距離にペアでデータセンターが設置されるようになっています。

国内リージョンで障害発生

万全なクラウドプラットフォームだと思われていたAzureですが、2017年3月28日(日本時間)3時4分~6時16分の約3時間にかけて、西日本リージョンにおいてAzure仮想マシンなどの一部サービスにアクセスできないといった障害が発生しました。すぐさま復旧しましたが、Microsoft社の発表によれば、西日本リージョンでストレージサービスの増強のために新たに拡張ユニットを追加した結果、同リージョンを構成していた2つのデータセンター間でいくつかのネットワーク接続がブロックされたとのことです。対処方法として自動復旧が実行されましたが効果は得られず、結局新しく追加した拡張ユニットを隔離することで問題を解決しました。
また、東日本リージョンにおいては2017年の3月だけで2度も大規模障害が発生しています。2度目の大規模障害ではAzureのリソースにアクセスできなくなったり、アクセスに遅延が起きるなどの障害が3月31日22時50分から発生しました。障害自体は4月1日6時までに復旧しました。障害の影響がでたサービスはAzureストレージやAzureストレージを利用するサービスです。Azure仮想マシンや、Azure App Service Web Appsなど多岐にわたりました。おおよその原因は冷却装置の故障だとされています。

東日本と西日本、どちらのリージョンがいいのか

実は、Azureサービスを利用する際に東日本と西日本のどちらのリージョンを利用するかを選択できます。日本のような小さな島国では、それほど通信にかかる時間差が発生しないため正直どちらのリージョンを選んでもあまり変わりはないようです。特にこだわりがなければ、ユーザーに近いほうのリージョンで構いません。そちらの方が若干ではあるものの通信時間が短くなります。

おわりに

日本国内に2か所Azureのリージョンが存在するということがお分かりになったでしょう。そして小さな島国なのになぜ2か所あるのかという疑問も解決できたはずです。世界に約60か所しかないのに日本だけで2つもあるなんて、なんだかお得感がありますね。個人的には、あの天下のMicrosoft社が提供するシステムでも、大規模な障害が発生するんだなと驚きました。人間が作るシステムなので当然といえば当然なのですが。この世に完璧なものはないということですね。
この記事をみてAzureに少しでも興味を持っていただけたら幸いです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です