ディープラーニングとは

・はじめに

皆さん、ディープラーニング(Deep Learning)という言葉をご存知でしょうか。近年IT技術の発展により様々なサービスや、新しい技術が目まぐるしい速度で世の中に浸透しております。我々の身近にあるサービス、これらが大きく発展できた要因の1つがディープラーニングなのです。

ディープラーニングが、どのように活用され、どのように社会に影響を与えているのか、言葉自体は聞いたことがあるけれど、「実際はどのようなものなのか、よくわからない…」という方も多いのではないでしょうか。
こちらの記事では、そのディープラーニングについて紹介させていただきたいと思います。

・ディープラーニングの概要

ディープラーニングとは、簡単に言えば、人間が行う作業をコンピューターに覚えさせる機械学習の一つです。ディープラーニングは、AI(人工知能)の急速な発展を支える比較的新しい技術であり、その発展により多方面の分野へ実用化してきています。

近年、開発が進んでいる自動車の自動運転技術においても、その実現の鍵となっているのはディープラーニングです。停止の標識を識別したり、人間と電柱などを区別するのも、ディープラーニングが実現している技術だと言えます。また自動運転技術以外にも、電話やタブレット、ハンズフリーのスピーカー等によく利用されている音声認識技術の進化にも重要な役割を果たしています。

近年、ディープラーニングがこれだけの注目を集めているのには理由があります。それは、従来の技術では実現できなかったサービスが実現出来るようになってきたからです。ディープラーニングの技術は、神経細胞の仕組みを参考にしたシステムであるニューラルネットワークがベースになっており、ニューラルネットワークを多層構造で利用することで、データ内の特徴をより深層まで学習することが出来るようになります。この多層構造とそれによる学習手法がディープラーニングの最大の特徴であり、これによりディープラーニングは非常に高い精度を誇り、ときには人間の持つ認識精度を超えることもあります。

・ディープラーニングと機械学習の違い

ディープラーニングは機械学習の一つと言えるものです。機械学習のワークフローは、画像から手動でデータを抽出するところから始まります。そして、抽出したデータを使用して画像の物体を識別・分類するモデルを作成します。一方、ディープラーニングでは、データは画像から自動的に抽出されます。

もう一つの大きな違いは、機械学習のシャローラーニングと呼ばれる学習手法が、データ量が増加すれば性能に限界を迎えることに対して、ディープラーニングでは、データのサイズに対して性能がスケールしていく点にあります。
従って、ディープラーニングは読み込むデータの量が増えていくにつれ、その認識精度を向上していきます。その点がディープラーニングの最大の強みと言えるでしょう。

最適な学習手法の選び方

機械学習には幅広い手法、モデルがあり、用途や処理するデータサイズ、解決したい課題のタイプに合わせて選択することができます。一方、ディープラーニングを使用するには、データを高速で処理するための高性能なGPUだけでなく、モデルを学習させるために数千もの大量のデータ(画像)が必要となります。

機械学習を用いるかディープラーニングを用いるかに悩んだときは、まず高性能なGPUと大量の画像データがあるかどうかを確認して下さい。もしも、どちらかが欠けている場合、ディープラーニングではなく機械学習が最適だと言えます。ディープラーニングは一般的に機械学習よりも非常に複雑であるため、信頼できる結果を得るためには少なくとも数千の画像が必要となります。また、より高性能なGPUがあれば、大量の画像の学習に必要な時間を大幅に短縮していくことができます。

・まとめ

いかがでしたでしょうか、今回はディープラーニングの概要や、機械学習との違い、選び方について紹介をさせていただきました。この時代、多くの企業がIT技術を取り入れて業務の効率化や新サービスの提供を図っておりますが、それらを支える技術の一つが今回紹介したディープラーニングです。

自動車の自動運転技術や、様々な機器に搭載されている音声認識技術の様に、私達の生活をより便利にする可能性を秘めているディープラーニングの発展にこれからも目が離せませんね。こちらの記事を通じて、ディープラーニングについて、今まではよくわからなかった方もイメージを掴んでいただくきっかけになれたなら幸いです。