ディープラーニングの意味とは

ディープラーニングとは

SFではなく現実的な意味でAIという言葉が、最近ではだいぶ浸透してきました。実際に身近なところでも、動画サイトの予想検索やスパムメール仕分け、チャットBotなどお目にかかる機会があります。AIの種類によっては裏方的な役割に使われていて、知らず知らずのうちに恩恵にあずかっているということもあるかと思われます。そんな現代のAIもとい、手法とされるディープラーニングについて調べました。現代のAIの意味するところを的確に捉え、実用的な技術の一部として認識できるようになることが目的です。

現代のAI技術はSFとは別物

まず区別しなければいけないこととして、現代のAIはどのような技術をもとにしているのかです。この点を理解することによりSFで意味するAIと切り分けることができます。
現代のAIは特定のデータを大量に読み込ませ、共通点や異なる点を機械に見つけ出させることである程度の自動認識を可能としたものです。人間に置き換えると、目隠しをした状態で手探りで何を触っているのか当てるようなものです。この時、まだ機械は人間のレベルに達していない点をおさえることが重要です。まずヒントを与え、答えの傾向を絞る必要があります。加えて、正解がわかりやすいように大きさや向きなどを揃えてあげないと機械は理解できません。
今回SFのAIとしての条件として、人間と同じ思考を持つことを前提に捉えています。
今回の例と擦り合わせると、通常の人間と比較した場合、まず目隠しをしている点が異なります。これは現代のAIには継続的な思考(意識)が存在しないため、受動的にしか対応できないことが該当します。つまりまだまだ現代的な機械の延長でしかないことがわかります。
次に現代のAIのレベルを図る目安としてヒントが必要なこと、正解の形を揃えてあげる必要があることに着目します。ヒントは分野を絞ることに該当しますので、現代のAIは判定する分野を絞った特化型だとわかります。正解の形を揃えてあげる必要があるということは、判定対象のデータの形を揃えていない場合判定できないということになります。今のAIは意識というものがないので、これだけお膳立てしてあげないと判別できない現状です。
まとめると、判定分野を指定した上で、整形された大量のデータ投入によって判別を行うシステムが現代でいうAIです。幸いなことに、一番重要な判別を行うプログラムを簡単に入手することができるため、その他の部分を用意することで自己学習が可能であることがわかりました。

現代のAIにおけるディープラーニングの立ち位置

現代のAIは大きく三層に分けることができます。外側から順に、AI、機械学習、ディープラーニングです。
AIはどのような分野に強いAIか示す場合に使われる層です。画像から判別するAI、日本語を解釈し意味付けるAIという使い方をします。
機械学習は、どのような手法で学習させるか選択する時に使われる層です。一般的に、現代のAIを手軽に学ぼうとした場合携わるのがこの層です。機械学習には大きく分けて教師あり学習・教師なし学習・強化学習の3つがあります。教師あり学習は、まず答えを与えます。それをもとに学習し、判別を行う方法です。教師なし学習は答えを与えず、与えられたデータから共通点などを判別しクラスタリングさせるものです。強化学習は、100%の正解が存在しない分野でより良い答えを導き出させるものです。ゲームのCPU AIなどが該当します。
ディープラーニングは、機械学習を行わせるために基となっている思考部分を指します。つまり、現代のAIにおいて中核部分を指すときに用いられる言葉です。

ディープラーニングの仕組みについて

ディープラーニングはニューラルネットワークの中間層を複数にしたものを指します。ニューラルネットワークは人間の記憶方法を機械に置き換えたもので入力層・中間層・出力層に分かれています。入力されたものを中間層で判断し、結果を出力層に送ります。つまり中間層の構造が、ディープラーニングの中核を意味するといえます。中間層の、入力物の受け入れ方によって許容範囲が変わりますし、判断のさせ方によって出力結果が変わります。

ディープラーニングの意味、具体例

ディープラーニングの意味するところがニューラルネットワークの中間層による判断であることがわかりました。ディープラーニングひいては現代のAIが実際にどのように使われているのかをまとめ、現在の傾向を見ました。
英語のWebサイトや文章を日本語にできるサイトがありますが、これにはディープラーニングの機能が使われています。ひと昔前の日本語翻訳は内容が理解できないレベルの翻訳でした。考えられる要因の一つとして英単語のようにスペースで区切られていないことが挙げられます。単語の1範囲がわかりにくいため翻訳の精度が落ちてしまいます。もう一つの要因は文章の順番が日本語と英語等では異なることです。単純な単語の置き換えでは対応できない翻訳になります。機械にこれらを学習させることで初めてまともな翻訳になったといえます。
動画サイトの推奨動画案内も、機械がユーザーの視聴傾向を学習することで視聴志向の近いものが案内されます。主観的視点からの感想ですが、ひと昔前の案内よりも精度が上がったように感じます。要因として、判別プログラム自体の品質向上も考えられますが、学習量が増えたことにより機械自体の学習精度自体が向上した可能性が考えられます。

まとめ

ディープラーニングひいては機械学習を用いる意味は、人間の万能性を機械が代理することでより高い効果が発揮できることに尽きます。先述した動画サイトでの推奨動画案内ですが、人間が行うことはもちろん可能です。この時の欠点として、マンパワーではコストに見合わないこと、各個人が得た新たな知識が共有されないことが挙げられます。機械に代理してもらうことでこの2つを一度に改善することができます。さらに、現段階では精度に問題が残っていても時間が解消する可能性があります。ここが今までのプログラムと大幅に違う点です。この点を踏まえAIを学ぶ場合には、特化型AIなのか汎用型を視野に入れるのか、長く運用するためにはどの部分をテコ入れする必要があるのかを見極め、長期間利用できるものを考える必要があります。

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