MATLABとは~どのようなプログラミング言語なのか~

はじめに

現在、世界中でAI、機械学習開発に注目が高まっています。それらを開発する際に使用するプログラミング言語はPythonを用いられることが多いです。しかし、PythonだけでAIや機械学習を開発できるわけではなく、「MATLAB」というプログラミング言語でも開発することができます。本記事ではMATLABについてご紹介します。

MATLABとは

MATLABとはどのようなプログラミング言語なのでしょうか。MATLAB(マトラボ)は、MathWorks社が開発を行っている数値解析ソフトウェアで、その内部で使用するプログラミング言語の名称でもあります。日本には、販売を行っている日本法人があるので、日本語の公式ページもあります。そのため、インターネットで検索した際に困ることがありません。

MATLABはデータ解析が得意なプログラミング言語です。そのため、工学、理学、経済学などの分野で使用されており、世界でのユーザー数は300万人を超えていると言われています。人気のあるプログラミング言語では2019年では14位にランクインしており、専門的な処理を行うためのプログラミング言語としてはかなり上位にランクインしているプログラミング言語です。

MATLABには、標準で分析用のツールがたくさん付属されています。後から機能を追加することができ、「Toolbox」と呼ばれる拡張パッケージが用意されています。これらは「MATLABプロダクトファミリー」と呼ばれており、幅広い分野の解析に対応可能なため、広く支持を得ています。他にも注目されているのが、ディープラーニングやロボット工学でも使用されており、MATLABの人気を後押ししています。

MATLABにできること

幅広い分野で使用されているMATLABですが、具体的にはどのようなことができるプログラミング言語なのでしょうか。MATLABを使用して実現できることをご紹介します。

・ディープラーニング

日本語では「深層学習」と呼ばれていますが、人間が自然に行っている動作や思考をコンピューターに学習させる機械学習の1種類です。ディープラーニングは人工知能の急速な発展を支える非常に大切な技術です。MATLABはディープラーニングを行えるため、人工知能の分野でとても注目されています。

・コンピューティングビジョン

コンピューティングビジョンは、画像解析に関する分野です。人間がものを見た時と同じように、コンピューターでも自動で画像に表示されているのは何なのかを解析できるようにするために行われている分野です。この分野がより発展すれば、自動車の自動運転技術もより発展します。

・ロボット工学

ロボット工学のアルゴリズムに関する分野で使用されています。センサー反応やカメラの映像で、ロボットの動きを制御するシステムを、MATLABは開発することができます。
MATLABはデータ解析だけではなく、機械学習の分野でも使用されています。

Pythonと何が異なるのか

MATLABは似ているプログラミング言語のPythonとよく比較されます。Pythonと何が異なるのかご紹介します。

・費用

MATLABとPythonで異なるのが、使用する際の費用です。MATLABは有償のサービスで、購入しなければ使用できません。しかし、Pythonは無償のサービスになります。そのため、企業で使用する際はMATLABの費用の負担はないと思いますが、個人でMATLABを使用しようとした場合、費用の負担が大きいです。そのため、個人や学生であれば、無償のサービスであるPythonの方が手軽に利用できます。

・初心者が始めやすい

MATLABは有償サービスで、パッケージで販売されています。そのため、インストール後に環境を整える必要はなく、すぐに専門的な計算などを簡単にできるようになっています。しかしPythonは無償のサービスなのでインストール後にユーザーが環境を整備する必要があります。

実はMATLABはPythonと連携できるようになっています。どちらのプログラミング言語の知識が無駄にならないようになっています。そのため、どちらのプログラミング言語を学習しようか迷っている方がいましたら、まず、Pythonから学習することをお勧めします。

最後に

MATLABはまだ知名度の高いプログラミング言語とは言えないです。しかし、AIや機械学習が発展していることで、Pythonと同じくらい注目されてきています。今後、AIや機械学習を開発するプログラミング言語がPython、MATLABとなるでしょう。そのような状況になった際に、MATLABを用いて開発できるようになるために、まずはPythonから学習を始め、次のステップアップとしてMATLABを学習されてはいかがでしょうか。

最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました。