IT環境を整備してテレワークを始めよう

はじめに

働き手が個々の事情に応じた多様で柔軟な働き方を選択できる社会にする為、働き方改革が推奨されています。テレワークは働き方改革の1つとして大きな注目を集めている働き方です。IT技術の進歩により、オフィスにいなくても働くことができるようになりましたが、日本での導入率は未だ20%程度と低い状況です。今回は、テレワークとは何か・目的と、必要なIT環境についてご紹介いたします。

テレワークとは?

テレワークとはtele(離れたところで)work(働く)を合わせた言葉で、ICTを活用した場所や時間に捉われない自由な働き方を指します。例として、在宅勤務やモバイルワーク、サテライトオフィスなどが挙げられます。ICTとは、Information and Communication Technologyの略で、IT技術を活用したコミュニケーション方法です。情報を処理するだけでなく、インターネットといった通信技術を利用し、人と人や人とモノが繋がる技術をICTといいます。例えば、メールやSNSは、インターネットを通じて人と人がコミュニケーションを行えるサービスの為、ICTに分類されます。IT技術の進歩により誕生したICTによって、国内外ではテレワークの導入が推進されています。

テレワークの目的

人材の確保

少子高齢化社会において、労働力の確保の為にテレワークが有効です。子育て世代の女性や、障がい者といった通勤困難な働き手の雇用機会を拡大し、労働人口の減少によって起こる人手不足をカバーします。また、柔軟な働き方ができることは会社の強みとなり、有能な人材の確保や流出を防ぐ効果もあります。

業務効率化

通勤時間や会議の為の移動時間が削減できることが大きな要因となり、業務以外の時間が短縮されたことによって、業務の効率を高めることができます。実際に導入されている企業の多くて実感されている効果です。テレワーク先からアクセスできる共有フォルダを利用し、データを集約することで、迅速な共有が可能になったという導入例もあります。

ワーク・ライフ・バランスの実現

ワーク・ライフ・バランスとは、仕事と家庭の両立を充実させる働き方・生き方のことです。仕事・育児や介護・趣味や学習・休養といった仕事以外の生活の調和を図ることを指します。テレワークの導入によって、ワーク・ライフ・バランスが実現できると、働き手の心身の健康を保つことができ、生活者としての視点を養い、早く帰宅できることで資格を取得できるなど、働き手の能力向上にもつなげることができます。

非常時の事業継続

新型コロナウイルスや、地震といった非常災害時において、社員が出社できない事態においても働ける環境を整備しておくことで、会社の業務を継続することが可能です。また、オフィスを分散させておくことで、地震等の災害時に倒壊してしまった際にも事業継続が可能となります。

テレワークに必要なIT環境

新型コロナウイルスの脅威によって、テレワークを導入しようとする企業も増加するでしょう。テレワークの導入時、大きな垣根となるのが環境の整備です。IT企業から提供されているツール・サービスは多岐に渡ります。しかし、ツールやシステムを選択する前に、まず環境の構築が必要です。テレワークが実現可能なIT環境の方式をご紹介いたします。

リモートデスクトップ方式

リモートデスクトップ方式とは、オフィスに設置されているPCを別のPCやタブレットから遠隔で操作することができる方式です。現状のシステムの改変を行うことなく、リモートデスクトップ用のソフトウェアをダウンロードすることで遠隔操作が可能な為、手軽に導入することができます。遠隔での操作・閲覧のみとなるので、遠隔操作用の端末にデータは転送されません。そのため、遠隔操作用の端末からの情報漏えいのリスクは低いことも特長のひとつです。デメリットとして、オフィスに設置されているPCの電源がONになっていないとアクセスができない点があります。

仮想デスクトップ方式

仮想デスクトップ方式とは、サーバが提供するデスクトップに、PCやタブレットからアクセスする方式です。また、このIT環境はVDIと呼ばれる仮想デスクトップ基盤のソフトウェアの社内サーバに導入することで構築することができます。リモートデスクトップ方式では、オフィスと遠隔用と2台の端末が必要ですが、仮想デスクトップ方式では、1台の端末をオフィス用・遠隔用の両方で使用することができます。作業した内容は、サーバに保存される為、情報漏えいのリスクが低いです。またPCや端末のOS・セキュリティソフトの更新もサーバ側でアップデートができるため、システム課といった部門の業務効率化も図れます。デメリットとしては、サーバのリソースを配分して利用をするため、マシンパワーを要するグラフィック等を頻繁に用いるような、設計職やデザイン職が利用することには不向きとされています。

クラウド方式

クラウド方式とは、利用する端末でWeb上からクラウド型のアプリケーションにアクセスし、場所や時間を問わずに業務システムを利用できる方式です。社内システムに新しいシステムを組み込むことなく、クラウドサービスを導入するだけで、テレワーク用のIT環境が構築できるという利点があります。Office365や勤怠管理や経費精算、稟議などの一部の業務に特化したシステムが多く提供されている為、テレワークの導入段階でもよくこの方式は利用されています。デメリットとしては、Webブラウザを利用する為、メモリを消費することから端末のリソースを確保する必要があることと、アプリケーションのライセンス更新が必要という点です。

おわりに

テレワークを導入するために必要なIT環境についてご紹介いたしました。オフィスで使用しているPCを持ち返すという方法でもテレワークは可能ですが、セキュリティ面での不安が懸念されます。ご紹介したIT環境の方法を利用することで、セキュリティ面での安全も確保されます。従業員・企業の双方にとってもメリットの多いテレワークは、今後多くの企業で導入されるべきでしょう。ありがとうございました。

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