Skype for Business Server 2015について

はじめに

あなたは「Skype for Business Server 2015」という言葉を聞いたことがありますか?私はてっきりSkypeのビジネスに特化したバージョンのことだと思っておりました。実際、Skype for Business Onlineというツールで2021年にサービス終了予定のものがありました。今回、記事で取り上げますSkype for Business Server 2015はこれとは関連はあるものの別物です。

Skype for Business Serverとは

そもそもSkype for Business Server(以下、Business Server)とは何なのか、それはSkypeが提供するセキュリティ、法令遵守、およびに統制によって顧客の利便性をもたらすコミュニケーションとのコラボレーションを成し遂げたプラットフォームです、機能としては次の通りです。

「オンプレミスでチャット・会議・通話」

社内の統合コミュニケーションのワークロードを全て自社のサーバーで実行します。

「自社のサーバー上に展開して管理」

自社のサーバー上で、全てのものをセキュリティで保護します。クラウドは必要ありません。

「最新のインフラストラクチャーをサポート」

顧客のデータセンター内の最新のWindowsとSQLのサーバー上でBusiness Serverを展開して実行します。

「独自のクラウド・サービスを選ぶ」

通話品質報告、会議、ボイスメールのうち、どの機能をクラウド経由で強化するかを選択できます。

ここまででお気づきの方も多いと思いますが、クラウドを用いた機能もあるものの、オンプレミスサーバーで行われる機能が多いですよね?MicrosoftのAzureやAmazonのAWS(Amazon Web Service)などに見受けられるように現在、様々なサービスがクラウド化しています。そんな中でこのBusiness Serverは自社(オンプレミス)のサーバー上で機能を展開しています。少し珍しいですよね?しかし、オンプレミスには以下のようなメリットがあります。

「独自のセキュリティ対策を実現できる」

自社が「所有する」機器によって構成され、尚且つ、基本的にシステム全体が社内にある為サーバー設置場所やインフラレベルから、自社独自のセキュリティ対策を施すことが出来ます。設置場所の選定、アクセス制限設定、アンチウイルスソフトやその他のセキュリティ対策システムの導入、不正アクセスの監視などにより、セキュリティを確保する事が可能です。

「運用時の月額支出コストは固定可能であり予算化しやすい」

いったんシステムを構築してしまえば、ほぼ毎月一定額のコストでの運用も可能で、予算を把握しやすくなります。

「カスタマイズの自由度が高い」

予算や構築時間、エンジニアリソースの許す限り、社員の要望への対応や既存のシステムとの連携対応など、自由なカスタマイズが可能です。

どうでしょう?クラウド化が進んでいる中オンプレミスも捨てたものではないと言えるのではないでしょうか?

Business Serverのメリット

さて、Business Serverに話を戻しましょう。ここではBusiness Serverのメリットをご紹介しています。

「総合コミュニケーションの機能がすべて揃う」

インスタントメッセージ、プレゼンス、会議、※エンタープライズVoIPがiOS、Mac、Windows、Webブラウザーで利用できます。

※エンタープライズVoIP…VoIPとはインターネットのようなIPネットワーク上で音声通話を実現する技術の事。ここではVoIPネットワークで仕事仲間を呼び出し、組織外の従来の電話番号で呼び出すことが出来る技術の事。

「最高の制御」

コミュニケーションのセキュリティを強化するために暗号化を組み込み、アクセス許可はAzure Active Directoryを通して行います。顧客のデータセンターに展開したものを顧客自身が管理します。

「充実した相互運用性」

サードパーティ※PBXシステムとの間でダイレクト※SIPやゲートウェイの相互運用が可能です。従来型の遠隔会議システムとも相互運用できます。通話受付管理※QoSをサポートします。

※PBX…電話回線交換機のこと。外線からの着信を内線に発信したり、内線から外線への発信を制御する役割を持つ。

※SIP…IPネットワークを使い、相手との通話経路を確立するための通信プロトコルのこと。

※QoS…ネットワーク上で提供するサービス品質のこと。ネットワーク機器にQoSを実装することで、ある特定の通信を優先して伝送させたり、帯域幅を確保することが出来る。

「必要に応じてクラウドにも対応」

ニーズに応じて、一部の従業員はSkype for Businessを使用し、それ以外の従業員はMicrosoft Teams(以下、Teams)を使用することも出来ます。より高性能のサーバー展開が必要になった場合に、クラウドに移行することも簡単に出来ます。

「会議ファースト」

Business Serverを通話とインスタントメッセージに使用する一方でTeamsを会議に活用します。従業員はモダンな会議の機能を利用でき、会社はクラウドでの高いパフォーマンスを活用できます。

Business Server2015

さて、いよいよタイトルにもなっているBusiness Server 2015についてです。2015があるということは他のバージョンもあるのでは?と思ったあなた、鋭いです。Business Serverには2015の他に2019があります。バージョンの振り分けは至って簡単、リリースされた年によって変わります。Business Server 2015は2015年にリリースされ、現段階(2020年7月)で2020年5月13日までの更新が確認されています。ちなみに、それ以前はLync Server 2013、2010というバージョンがリリースされていました。Business Server 2015
はBusiness Serverとしては初めての製品だったのです。しかし、メインストリームが2020年10月13日、延長サポートも2025年10月14日に終了する予定です。

お勧め度

ここまでBusiness Serverについて記事を記述してきましたが、正直なところあまり使うのはお勧めしません。お勧め度を数値化するなら10段階中4ぐらいです。なぜなら、上記にありましたようにSkype for Business Onlineというツールが2021年に終了し、Business Serverも2025年に完全終了してしまうからです。これからはSkype for Business Onlineの後釜としてTeamsが使われる様になりますが、Teamsを使うためにはBusiness Serverがオンプレミスでもオンラインであってもアップグレードが必要になり、個人的には面倒だと思ったからです。

おわりに

いかがでしたでしょうか。公式のHPなどですとSkype for Business ServerなのにSkype for Businessと略されることが多く、誤解を招くと感じておりましたが、実際はSkypeが提供するプラットフォームのことでした。もうすぐ終了してしまう、Skype for Business Onlineは会議に最大250人参加出来たり、プレゼンスを確認出来たりと何かと便利な機能を持っていたので残念です。しかし、TeamsはSkype for Business Onlineの今までの機能に付け加え、メンション機能やスレッド機能がついていたり、と更に進化したツールとなっていますので、テレワークを始めたいと思っている企業の方にはお勧めです。以上、最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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