「Skype for business」とは?「Skype・Lync」と新しい「Microsoft Teams」について

「Skype for business(Lync)」とは?

「Skype for business・Lync(リンク)」はマイクロソフトが提供する法人向けコミュニケーションサービスの一種です。一般向けのSkype同様に複数人数での音声チャット・ビデオ会議などが行えるコミュニケーションツールで、PCだけでなくスマートフォンアプリも存在しています。

「Lync」は法人向けコミュニケーションツール(windows7/Vista/XP)として2011年1月に公開されました。同年12月にはAndoroid/iphone向けの「Lync2010」がリリースされ、2013年には「Lync」と一般向けに提供されていた「Skype」の相互接続が可能となりました。2015年4月に「Lync」から機能全てを引き継ぎ「Skype for business」に名称変更が行われると共に、「Skype」と機能・インターフェース等の統合も行われ、「Skype」ベースのデザインへ変更されました。「Lync」から名称が変更されることとなった理由としては、企業向け「Lync」に比べ一般向け「Skype」のブランド知名度が圧倒的に大きかったことなどが挙げられています。「Skype for business(Lync)」は単体契約もしくは「Office365」(現「Microsoft365」)の一部のアプリとして提供されています。

現在マイクロソフトは「Skype for business(Lync)」に変わり同様の機能を持つ後継サービスである「Microsoft Teams」への移行を促しています。実際に、2021年に「Skype for business」のサービスが終了することが発表されており、2018年10月より500名以下の新規テナントでは「Skype for business(Lync)」は利用できなくなっています。

※「Office365」は2020年4月より「Microsoft365」に名称が変更されました。

「Skype」と「Skype for business」の違いは?

「Skype」

個人向け、固定電話や携帯電話への発信・国際通話を除いて無料で利用できます。
音声通話、ビデオ通話、画面共有(1対1のみ)、インスタントメッセージ、位置情報共有、ファイル送信(制限なし)、ボイスメール、ビデオメッセージ、ビデオ通話時の背景ぼかしなどが利用可能です。音声通話の最大人数は20人まで、ビデオ通話は最大50人まで、グループチャットは最大100人まで利用できます。セキュリティ機能として内容(ビデオ通話、画面共有、メッセージ、添付ファイルなど)の暗号化も行われています。

「Skype for business」

法人向け、2つの料金プランが存在します。オンライン会議では最大人数250人まで追加が可能です。Microsoft365(サブスクリプションサービス) 、Outlook(メールクライアント及び予定管理サービス)、SharePoint(クラウドサービス)と完全に連携されてるため、Outlookの連絡先のメンバーを直接「Skype for business」のオンライン会議に招待することも可能です。

<「Skype for business」の機能>

「Skype」の基本機能はもちろん、多くの機能を利用することができます。

・ブロードキャスト機能(1対多数、最大1万人までの拡大が可能)

・コンテンツ共有(会議中に自分の画面を表示したり、他の出席者による制御も許可できる)

・情報漏洩防止を考慮した業務用の強力なセキュリティ機能も提供しています。

内容(ビデオ通話、画面共有、メッセージ、添付ファイルなど)の暗号化、多要素認証にも対応しておりアカウントの成りすましを防止など

・オンライン会議時にも便利なレコーディング機能

・従業員のアカウント管理機能

・各メンバーの状況管理を行う在籍確認機能

・メンバー同士の迅速なやり取りのためのインスタントメッセージ機能

・管理者によるアカウントごとの利用制限(通信制限)も可能

・稼働率保証(返金制度)などのサポートも用意されています。

<「Skype for business」の料金プラン>

・Skype for Business Plan1:販売終了

・Skype for Business Plan2:年額7,200円/1ユーザー、500名以上の新規テナントのみ契約可能

「Microsoft Teams」とは

Microsoft 365の一部であり、2017年3月より開始された「Skype for business」の後継サービスです。「Microsoft Teams」は「Skype for business」で利用できる機能はもちろんさらにチームメンバー間のコミュニケーションを円滑にするための特化した機能が追加されています。

<「Microsoft Teams」の登場で追加・変更された主な機能>

・チーム機能
(「Microsoft Teams」でのコミュニケーションは基本的に「チーム」と「チャネル」で構成されています。「チーム」は「Microsoft Teams」内で構成される組織で、プロジェクトごとや部署ごとに作成されており、そのチームごとのコミュニケーションスペースが「チャネル」と呼ばれます。トピックごとに分割することで、コミュニケーション効率の向上に特化しています。)

・スレッド機能(チーム内で会話内容ごと等で分けられるスレッドを立てることが可能となった。後で見直したり、後から参加した場合にも共有しやすくなります。)

・チャット機能(これまではインスタントメッセージでのやり取りであったが、「Microsoft Teams」では複数人数でのやり取りに特化したチャット方式へ変更となり、チャットスペースからのWeb会議開催も可能となった。)

・メンション機能(チャット機能が追加され、複数人数でのやり取りの際に@の後にユーザー名やチーム名を入れてメッセージを送ることで、相手に新着メッセージ通知が届く機能が追加され効率の良いコミュニケーションが可能となった)

・ファイル共有機能(従来転送のみだったが、「Microsoft Teams」ではチームごとにオンラインストレージを利用しファイル共有や共同編集が可能となった)

・メンバー管理機能(チームごとに管理者とメンバーを設定可能になった)

・共有範囲の拡大(参加者のみからチームメンバー全員に変更)

<「Microsoft Teams」の料金プラン>

「Microsoft Teams」には無償版と有償版が3種類あります。

・無償版

チャット・ファイル管理機能は有償版と比較してほぼ同様に使用することがきますがその他の機能は大きく制限されます。(officeアカウント利用不可、ビデオの録画不可、追加機能が利用不可、公式サポートがないなど)

・Microsoft 365 Business Basic(旧Office365 Business Essentials)

年間契約(月額540円)、無料版では利用できなかった最大250人のビデオ会議や会議のレコーディング、ファイルストレージの利用・共有機能、多要素認証などのセキュリティ機能、各種サポートも受けることが可能。

・Microsoft 365 Business Standard(旧Office365 Business Premium)

年間契約(月額1360円)、ブロードキャスト、電話会議、オンプレミスサーバーへのアクセス等が利用できない、一部セキュリティ機能に利用制限はあるもののほとんどの機能を利用することが可能。

・Office 365 E3

年間契約(月額2170円)、すべての機能を利用可能な最上位プラン

※料金など2020年7月時点の情報になります。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です