社長 末光正志のブログ

投資について AIとの対話を投資方針に反映

これらは、あくまで私個人の見え方で書いています。

いろいろと情報収集をして自分がしっくりきているものをメモし、投資方針をまとめ、AIに入力をして現在のポートフォリオと方針をインプットしてAIにアドバイスしてもらうことを試しにやっています。自分が気が付かなかったような視点で意見をもらえることもあり、内容が納得できるものであれば投資に反映しています。

投資アプローチ

個別株は買わず、基本的にはETFもしくは投資信託を買うようにしています。大きな利益を出す方針ではなく、安全なところに資金を移す考えです。現金を持っていたとしても世界的に見れば為替のリスクに晒されていますし、インフレになるとその分現金の価値が下がるので、現金を持ち続けているとお金の価値は下がり続けることになります。世界各国は緩やかなインフレになる方針で動いているので、為替やインフレも含めたリスク回避策を考え、最善なところに資金を分散する方針です。

個別株の場合、上がり下がりのトレンドが変わり、売買頻度が高まります。株によっては大きく上がるものもありますが半値以下になることもありますし、1日の上下がかなり大きいものもあります。以前は個別株に投資をしていましたが、売買頻度が多くなるので忙しい自分には向いていませんでしたし、値動きが大きいと仕事をしていて気になって良くないと感じました。

半導体ブームのときにGX半導体ETF(2243)を買ったこともありますが、ブームが終わると値下がりも大きく、最高値から42%ほど下落していました。セクターローテーションはある程度の頻度で起こっており、仕事が忙しいとセクターを調べる余裕もなくなるので、この投資スタイルも自分には向いていないと感じています。

米国株ブームは2010-2024年末まで15年ほど続いており、S&P500は年間平均8%以上上昇しています。同時に円安だったことも考えると十分なパフォーマンスだったと感じています。インデックス投資ならセクターローテーションも無視できますし、自動的に良い銘柄に組み替えてくれるので楽です。

投資をするのであれば数年間持ち続けることができるスタイルが自分にはフィットしています。情報収集はニュースの確認の延長で月に数回、銘柄の入れ替えは月に1回程度で取り組んでいます。

2025年4月時点の市場観察

アメリカ市場の動向

トランプ大統領のドル安方針で実際にドル円では円が強くなっています。ドルは全体的に価値が下がり始めており、アメリカが不景気になる可能性も出てきています。アメリカの株価は高くなりすぎていると感じます。

バフェット指数(時価総額対GDP比率)はここ数年ずっと高い傾向にありますが、2025年4月22日時点では177.3%となっています。通常、この指数の歴史的平均は約75%で、100%を超えると高評価、50%を下回ると低評価と考えられています。120%を超えると株式市場が過大評価されていることを示唆するとされ、2025年1月には過去最高を記録し、ドットコムバブル時よりも深刻な警告サインを示していました。

特に気になるのは米国の逆イールドカーブ(長短金利逆転)です。これは2022年10月に発生し、2024年12月に一度解消されましたが、2025年2月に再び発生しています。この現象は10年物国債利回りが3か月物(または2年物)国債利回りを下回るもので、景気後退の予兆として注目されています。過去にも米国では1978年以降、複数回逆イールドが観測されており、直近では2019年8月に発生した後、2020年のコロナ禍でリセッション入りしています。

トランプ大統領の関税方針で物価が上がる可能性も出ており、スタグフレーション(景気後退と物価上昇が同時に発生)の可能性が懸念されます。トランプ大統領はFRBに政策金利を下げるよう圧力をかけており、貿易赤字を改善したい意向のようです。結果的にドルが売られてドル安になる流れが続きそうです。

AI銘柄の牽引役であるNVIDIAの株価は横ばいになっており、マグニフィセント・セブンの業績にもピークアウト感があります。PERは低下傾向にあり、米10年債利回りが過去5年平均の2.69%から現在4.32%に上昇していることも要因と思われます。長期金利が低下するまでは高PER株への投資は慎重にした方が良さそうです。

ナスダックの週足チャートを見ると、過去の急落時の数値(2020年 -32.6%、2023年 -37.8%、2025年 -27.8%など)から、今後最大28%安と暴落する可能性もあり、AI投資ブームにも陰りが見えてきた感じがします。

欧州市場の機会

欧州とドイツが数十年ぶりの大規模軍備計画を進めており、欧州株に投資チャンスが来ていると考えています。軍事支出に8000億ユーロを確保する予定で、AI、通信ネットワーク、自動運転、ロボット工学など様々な分野に恩恵が出ることが期待されます。

自動車の世界的需要が軟化する中、軍需が新たな受け皿になる可能性もあり、欧州内での武器製造も増えそうです。財政出動→企業業績拡大→利下げサイクル本格化→PER上昇という好循環も期待できるかもしれません。

2025年4月17日にECBは6会合連続となる0.25ポイントの利下げを決定し、現在のユーロ圏主要金利は2.25~2.65%になっています。利下げは既に本格化しており、今後も追加利下げの可能性が高いと思われます。

新興国市場の見通し

米国の相互関税政策では、インドが26%と他国(ベトナム46%、タイ36%、インドネシア32%、バングラディシュ37%)に比べて優遇されており、インドの輸出競争力が高まると予想されます。

安価な労働力を豊富に抱えるインドは製造業の拠点として魅力的で、急速な都市化も進む可能性があります。世界で最も成長する国の一つになる可能性が高いと感じています。

過去の新興国ブームは1990-1993年(NAFTAによるメキシコ株)、2004-2008年(BRICs)などがありましたが、これらはドル安局面で起きています。ドル安になると米国以外への投資が盛んになる傾向があるようです。

投資サイクルと歴史的パターン

投資ブームには約10年ごとのサイクルがあるように見えます:

  • 1960年代:米国株(1970年停滞)
  • 1970年代:ゴールド(1980年代停滞)
  • 1980年代:日本株(1990年代停滞)
  • 1990年代:米国株(2000年代停滞)
  • 2000年代:新興国株(2010年代停滞)
  • 2010年代:米国株(2020年代停滞?)

2010-2024年末まで15年間も米国株ブームが続いていますが、そろそろトレンド転換が起きるかもしれないと考えています。金や欧州市場への資金シフトも始まっているようで、ドル安になるとドル建て以外の投資が好まれる傾向があります。

2022-2024年は急激な円安ドル高でしたが、トランプ政権のドル安方針で反転する可能性が高まっています。円高局面では円を持つほうが有利になり、ドル安傾向では欧州株、新興国株、ゴールドが人気化すると思われます。

S&P500は2024-2025年に4000から6000まで大きく上昇しました。過去のチャートを見ると、2007年リーマンショックでは770が底値、2020年コロナショックでは2304が底値となり、2021年12月には4700まで回復、その後インフレで下落し2022年9月には3639が底値でした。

ゴールド相場と投資タイミング

ゴールドは上昇が続いていて、安全資産としての需要が高まっているようです。1970年代のスタグフレーション時には35ドルから875ドルへと10年で25倍になりました。今後もスタグフレーションになれば、ゴールド価格は上昇する可能性が高いと思われます。

市場が大きく変動すると、投資家は恐怖から投げ売りするため、資産が大幅に売られすぎる現象が年に1回程度起きています。そういう時が買いのチャンスだと考えており、恐怖指数(VIX)を参考にしながら機会を探しています。

米中貿易戦争の激化で米国、中国、台湾、日本は打撃を受ける可能性が高いため、これらを除いたポートフォリオ構築も検討中です。


これらはあくまで個人的な市場観察と考察であり、自分なりの投資判断の参考にしているものです。市場は常に変化しているので、こうした考えも状況に応じて調整していくつもりです。