社長 末光正志のブログ

金(ゴールド)投資の選択肢:日本で利用可能な商品比較

はじめに

金(ゴールド)は古来より価値の保存手段として認識され、現代の投資ポートフォリオにおいても重要な役割を果たしています。特に経済の不確実性が高まる時期や、インフレ対策として注目される傾向があります。今回は、日本の個人投資家が利用できる金投資の選択肢について解説します。

日本で利用可能な金投資商品

1. 金純金信託 (コード: 1540、NISA対象)

概要

  • 信託報酬: 0.539%
  • 分配利回り: 0.00%
  • 特徴: 国内の商品先物取引市場における金の先物価格から評価した、金地金の現在の理論価格に連動

メリット

  • NISA口座での保有が可能
  • 比較的流動性が高い
  • 小額から投資可能

デメリット

  • 実物の金を保有するわけではない
  • 信託報酬がやや高め

2. 金ETF (コード: 1672、NISA対象外)

概要

  • 信託報酬: 0.390%
  • 分配利回り: 0.00%
  • 特徴: ロンドン地金市場協会の規格にもとづく金地金の現物に投資し、金の価格との連動を目指す投信

メリット

  • 実際の金地金を裏付けとしている
  • 信託報酬が比較的低い
  • 国際的な金価格に連動

デメリット

  • NISA対象外のため税制優遇を受けられない
  • 為替変動の影響を受ける可能性がある

3. Smart-i ゴールドファンド(為替ヘッジあり)

概要

  • 信託報酬: 0.375%
  • 分配利回り: 0.00%
  • 特徴: 金鉱株を中心に投資するファンド

メリット

  • 為替リスクを軽減
  • 金鉱株への投資により、金価格上昇時にレバレッジ効果が期待できる
  • 信託報酬が比較的低い

デメリット

  • 金価格だけでなく、企業業績や株式市場全体の影響も受ける
  • ヘッジコストがかかる

4. Smart-i ゴールドファンド(為替ヘッジなし)

概要

  • 信託報酬: 0.375%
  • 分配利回り: 0.00%
  • 特徴: 金鉱株を中心に投資するファンド

メリット

  • 為替差益の可能性がある
  • 金鉱株への投資により、金価格上昇時にレバレッジ効果が期待できる
  • 信託報酬が比較的低い

デメリット

  • 為替変動リスクがある
  • 金価格だけでなく、企業業績や株式市場全体の影響も受ける

5. ゴールド・ファンド(為替ヘッジあり)

概要

  • 信託報酬: 0.407%
  • 分配利回り: 0.00%
  • 特徴: 日本を含む世界の金融商品取引所に上場されている、金地金価格への連動をめざす投信

メリット

  • 為替リスクを軽減
  • グローバルな金市場への投資が可能
  • 金地金価格に直接連動

デメリット

  • Smart-iゴールドファンドと比較して信託報酬がやや高め
  • ヘッジコストがかかる

6. ゴールド・ファンド(為替ヘッジなし)

概要

  • 信託報酬: 0.407%
  • 分配利回り: 0.00%
  • 特徴: 日本を含む世界の金融商品取引所に上場されている、金地金価格への連動をめざす投信

メリット

  • 為替差益の可能性がある
  • グローバルな金市場への投資が可能
  • 金地金価格に直接連動

デメリット

  • 為替変動リスクがある
  • Smart-iゴールドファンドと比較して信託報酬がやや高め

金投資の選び方

1. 投資目的を明確にする

金投資を検討する際は、まず投資目的を明確にしましょう。

  • 資産防衛目的:インフレや経済危機に備えたい場合は、金地金価格に連動する商品(金純金信託や金金ETF)が適しています。
  • 値上がり益を狙う:金価格の上昇から利益を得たい場合は、金鉱株ファンドも検討の余地があります。
  • ポートフォリオ分散:他の資産との相関が低い特性を活かすなら、少額でも良いので金関連商品を保有するのが効果的です。

2. 為替リスクへの対応

金価格は基本的にドル建てで形成されるため、為替変動が投資リターンに影響します。

  • 円高予想:円高が予想される場合は為替ヘッジありの商品
  • 円安予想:円安が予想される場合は為替ヘッジなしの商品
  • 不確実:一部をヘッジあり、一部をヘッジなしで分散投資

3. 税制面の考慮

  • NISA口座が利用可能なら、金純金信託などNISA対象商品を優先的に検討
  • 一般口座で長期保有する場合、信託報酬の差が長期的なリターンに大きく影響するため、低コスト商品を検討

まとめ

金投資は資産ポートフォリオの分散化や、経済危機・インフレ対策として有効な選択肢です。上記の投資商品はそれぞれ特徴が異なるため、自身の投資目的や市場見通し、為替見通しに合わせて最適な商品を選択することが重要です。また、金価格は短期的には大きく変動することもあるため、長期的な視点で投資することをお勧めします。

金投資を検討する際は、これらの商品の特徴を理解し、自分の投資戦略に合った選択をすることで、より効果的なポートフォリオ構築が可能になるでしょう。