IT業界未経験の私がITインフラエンジニアになるまで

受電対応の業務での求人応募がIT業界へ参画したきっかけ

7年前、当時の私は離婚してわずか半年ほどで今後の生活を成り立たせるため、以前から得意としていた受電対応業務での仕事を探していました。そんな私が目にした求人募集が「医療系コンピュータの問い合わせ対応、受電対応スタッフ募集:時給1600円~時給1800円(時給についてはうろ覚えですが)、未経験可」という、当時住んでいた自宅付近のコンビニに置いてあった求人情報のフリーペーパーでした。

「ヘルプデスクオペレータ」と「コールセンターオペレータ」と勘違い

当時ITの知識は全く無く「ヘルプデスク」の存在も知らなかったため、「コールセンターのオペレータにしては時給が高いな」と思った程度で、普通のコールセンターだと信じて疑わずに採用面接に臨みました。
電話対応のスキルが幸いしてヘルプデスクオペレータとして採用になり、安心したのも束の間。予定していた客先が入札に失敗(官公庁システムの請負)し別の客先に落札され、ヘルプデスクのオペレータとして当初予定していた3名から1名に減ってしまいました。

しかし偶然にも、落札したお客様も当時いた会社では取引があったため、ヘルプデスク要員として採用されていた私ともう一名の同期の女の子は、たまたま要員の空きが有った「運用監視」の業務に就くことになったのです。

未経験の私に突然立ちはだかった「資格取得」の壁

入社してまもなく客先が変わってしまうトラブルがあり、戸惑っている私の前に立ちはだかった最初の壁が「資格取得」でした。
当時の客先で官公庁の現場に入場する際、イギリス発の「ITILファウンデーション V3」という名の「ITサービスマネジメントにおける戦略」内容の資格所持が前提であったため、急いで取得する必要がありました。

当時所属していた会社の担当営業さんは「2、3か月かけてゆっくり勉強して大丈夫だよ」と言ってくださって安心していたのですが、いざ現場に入場すると、チームリーダから「全員必ず1か月以内に取得すること!!」と強く言われてしまい、毎日の猛勉強が始まりました。

IT業界の用語も全く分からない状態での取得もさることながら、問題文が英語を単純に日本語を直訳されたとしか思えない、おかしな問題文にも苦しめられました。テキストを読んでもなかなか理解が出来ないので、問題を解きながら都度疑問点を検索する「逆引き方式」勉強に取り組み、なんとか3週間で資格を取ることが出来ました。

この時、自分で編み出した「逆引き方式」でその後いくつか資格を取得しています。私は元来勉強がとても苦手で自分に自信も持てずにいましたが、資格を取得したことで「達成感」を得られ、「私にも出来る」という「自信」にも繋がり、非常に大きな意味を持つ経験になりました。

一晩中止まらないアラート音

その運用監視の現場は新規に立ち上がったプロジェクトであったため、私のようなIT初心者はもとより「IT経験は有るけれど運用監視は初めて」というメンバーも多数居り、この現場での初めての夜勤はその「運用監視未経験」3人の組み合わせで臨みました。

夕方5時から夜勤が始まり、順調に日時作業もこなして迎えた深夜11時。日次バックアップジョブの開始確認が終わり、少し空き時間が出来るのでそろそろ休憩を取って夜食でも食べようかとホッとひと息ついた時、突然警報がなり始めました。

アラーム音を止めてメッセージの確認をしたいのに、止めども止めども次々とアラームが鳴り、メッセージの確認もままならない状況になってしまったのです。夜勤メンバー3人の内1人はアラートを止め、もう1人が電話で上席にエスカレーションし、残った1人がメッセージを読み上げするという対応で、明け方4時近くまでトイレ休憩も取れずに対応する事となりました。

アラートそのものは明け方に止まりましたが、その後朝の日次作業が始まってしまい、結局仮眠も食事も取れないまま日勤者と交代の時間を迎えました。しかし、出力されたメッセージの切り分けを終わらせるため残業になり、結局解放されたのは前日の夜勤開始の夕方5時から数えて36時間後の昼の12時でした。

現在、夜勤がある仕事はしていませんが、これほど厳しい経験は後にも先にもありません。ちなみに、事象そのものは明け方駆け付けたハード保守の方によって、電源のON/OFFですんなり解消したそうです。

あの日から7年近い年月が経ちましたが、今でも忘れられない出来事です。

現在の自分に繋がったサーバ作業(リリース・情報取得など)

当時参画していた現場は、運用監視はA社、ハード、ソフト保守は大手ベンダーB社と別々の会社が請け負っており、月に一度のペースでバッチ不具合対応のリリース作業が保守チームから運用チームに依頼されていて、夜勤時に対応することになっていました。

LinuxサーバやWindowsサーバのコマンドラインを使う作業もこの現場で経験しており、その後に着任した保守や2020年4月より参画している現場の保守・構築に繋がる結果となりました。

他業界とIT業界を経験して感じた事

私が社会人になった頃、世の中は既にバブルが崩壊しており就職氷河期でした。そのため、レンタカー会社でバイトしたり、コールセンターオペレータや派遣事務スタッフなど、非正規での仕事を転々として働いて来ました。

自分はこの先、正社員で仕事をすることなど、きっと無いのだろうと思っていました。

しかし、IT業界に足を踏み込んでからスキルや経験を積み、確実に収入が上がっています。無縁だと思っていた正社員にもなることが出来ました。

まだまだ女性と男性、学歴による賃金格差は大きいのが日本の現状ですが、IT業界では経験を積めば性別や学歴に関わらず、確実に結果となって反映される所も気に入っています。

また、リモートワーク等により今後子育て等を経験するであろう若い方々に多様な働き方を提供したりと、社会にも大きく貢献できます。

人手不足の現在、今後ますますインフラエンジニアの需要は高くなる傾向にあります。自分の価値を高めて必要とされるインフラエンジニアを目標に、日々業務や自己学習に臨んでいくつもりです。この記事を読んでくださった方へ私の経験が何か少しでも役に立てば幸いです。

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