システムアーキテクト

はじめに

システムアーキテクトという言葉を、IT業界に入ると多く耳にすると思います。ですが、そもそもシステムアーキテクトの意味をよく理解していない人も多いのではないのでしょうか?システムアーキテクトの意味を理解して、業界理解で役に立てるよう解説します。

システムアーキテクトとは?

そもそもシステムアーキテクトの「アーキテクト」という言葉の意味は、建築士や設計者という意味があります。つまりIT業界でいうと、システム開発において対象になる業務の分析や設計などを担当する、上流工程に携わる人々をシステムアーキテクトと呼びます。プログラマやシステムエンジニアよりも上級として定められているのです。

システムアーキテクトになるには?

いろいろな方法があるとは思いますが、一般的なルートだと、プログラマー→システムエンジニア→システムアーキテクトとキャリアアップする道です。さらにシステムアーキテクト資格という国家資格が存在しており、こちらを取得すると実務においても大きなプラスになるでしょう。システムアーキテクトは、的確な分析とシステムの設計を主導者とする立場から、かなりの高度な知識が必要になるため、資格試験の難易度も高く、合格率は例年10%前後です。

システムアーキテクト仕事内容と役割

まずシステムアーキテクトの仕事内容は大きく分けると、三つに分けられます。それぞれ仕事内容も異なるので一つ一つ見ていきます。

アプリケーションアーキテクチャ

数あるシステム設計の中で、アプリケーションアーキテクチャは、「データ」「ユーザビリティ」「ファンクショナリティ」の部分に設計や業務分析を行う職種です。「データ」とは、対象システムで扱うこととなる、データの範囲や品質、どのデータ部分を共有するか、管理はどうするかと言った内容です。「ユーザビリティ」は、対象システムを設計するときに、実際に利用するユーザーの視点をベースに、アクセスのしやすさやシステムの使いやすさについて設計を行う内容です。「ファンクショナリティ」は、業務遂行の観点から、ビジネスプロセスの改善や業務効率、品質の改善に繋がる設計を行う内容となっています。

インテグレーションアーキテクチャ

こちらの分野は、システム設計において「フレームワーク」と「インターオペラビリティ」について設計をします。「フレームワーク」とは、対象のシステムを作るときに、いかに効率よく、かつ高品質に実現できるかという視点をベースにして、数あるフレームワークの使用方法や、既存システムがあればそちらのシステムの再利用方法、なのど開発の方法を主に設計します。「インターオペラビリティ」とは、開発するシステムが、アプリケーションと連携する際に、異なる点のデータ制御や、連携がうまく稼働するようにシステム連携に関わる設計をします。

インフラストラクチャアーキテクチャ

こちらの分野は、システムにおいての「セキュリティ」「プラットフォームとネットワーク」「システムマネジメント」について設計を行います。「セキュリティ」とは、開発する情報システムのデータの安全な管理と利用方法を目指し、セキュリティの対象となる領域と安全レベルの設定などの、セキュリティに関連を全般的に設計を行います。「プラットフォームとネットワーク」は、システムに関わる、ハードウェア、ネットワーク、基盤のソフトウェアなどの計画と設計、開発、運用を行います。「システムマネジメント」は、会社全体の情報システムの信頼性や、保守性を実現するため、開発したアプリケーションの実行制御、システムの稼働時間や、システム監視、データのバックアップなどの設計を行います。

システムアーキテクト資格について

システムアーキテクトの仕事内容で述べたように、一言で、システムアーキテクトと言っても、多くの開発や設計、の仕事内容があり、一概にこれとは言えません。求められる能力や知識は多いのは間違い無いでしょう。そんなことからシステムアーキテクトの資格難易度は、かなりのものです。数あるIT資格の中でも最高ランクと言っても過言では無いです。試験内容としては、プロジェクト計画立案支援、システム化計画支援、システム要件の識別、システム開発の準備、要件定義、システム方式設計などについて問われます。合格率も10%~15%です。試験構成は、午前・午後それぞれ2部の計4部で、午前は、マークシート、午後は、記述試験と論文試験です。特に午後の分野が難しいとされているっため、取り組む方は、午後に力を入れましょう。

システムアーキテクトに求められるスキルや経験

今まで述べたとおりに、システムアーキテクトは広範囲な知識量と、ある程度の経験が求めらるのが現実です。アーキテクチャを設計する能力や、設計技法に関するスキル。システムの標準化や再利用性の知識、並みのプログラマやシステムエンジニは、では難しい内容でしょう。また経験としても、システム開発に参画した経験、DBやアプリケーション、ネットワークにおいて、上位者の指導なく設計や実装を行った経験、進捗管理や、品質管理などの経験も必要と言えるでしょう。

システムアーキテクトの需要

システムアーキテクトは、システム開発の一連の流れにおいて、重要な役割を果たすことから、多くの企業から注目されています。しかしながら、システムアーキテクトは、複数の分野にわたり、専門エンジニア並の知識と技術が求められるため、企業も育成に悩んでいるのが、現状です。最近ではクラウドを含めた業務システムの最適化が多くなっており、社会的にシステムアーキテクトへの期待は高まるばかりです。なるのは難しいですが、とてもやりがいがあり、自尊心ももてる仕事ではないでしょうか。

最後に

ぜひIT業界において設計や、要件定義といった、上流工程のプロフェッショナルとして、働きたい方にはおすすめの職種です。私自身、プログラマとして開発を行うと、上流工程の仕事の重要さに気づかされます。上流工程がしっかりしていないと、チームが混乱も招きかねないですし、何より多くの業務に支障をきたします。プログラマやエンジニアとして経験を積んでさらに上を目指したい方はシステムアーキテクトを目指してみてはいかがでしょう。

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