Amazon Lexについて

Amazon Lexとは?

Amazonが提供しているAmazon Lexというサービスはご存知でしょうか。
会話型インターフェイスを構築する為のサービスなのですが、例えば、最近よく会員型のサイトなどで見かけるQ&Aに対応したチャット質問サービスや、LINEで有名人が行っている公式LINEサービスなども、会話型インターフェイスを利用したサービスと言えます。
こうしたテキストを利用したチャット型のサービスはもちろん、採用するアプリケーションによっては音声によって会話型のサービスを提供することができるようになるのが、このAmazon Lexなのです。

Amazon Lexの利点

このAmazon Lexの大きな利点としては、マルチプラットフォームの開発に係る労力が大きく削減できる事にあります。
モバイルデバイスや複数のチャットサービス、例えばFacebookやMessengerなどの日本でも頻繁に利用されるものや、SlackやTwilio SMSなど、日本では無名ですが世界的に利用されているサービスに、容易に音声またはテキストのチャットボットをパブリッシュでき、また、その他のAWSサービスとの統合により、手間を掛けることなくボットを開発できる点も利点と言えます。

では、具体的にAmazon Lexはどのようなシステムを用いて構成されているのでしょうか。Amazon Lexでは大きく分けて2つの構成する要素があります。それがASRとNLUです。

ASR

ASRは音声をテキストに変換する自動音声認識です。
このASRにより利用者が発した音声をテキストベースへ変換することで、システムは問い合わせ内容などを理解し、処理することができるのです。

NSR

問い合わせ内容の理解の部分に関わってくるのがNLUです。変換されたテキストの意図を認識する自然言語理解がこのNLUであり、このASRとNLUにより高度な深層学習機能が利用できることからリアルな会話を提供することができるのです。

この2つのシステムはAmazon Alexaにも同等の技術が搭載されており、つまりはAmazon Lexを利用することで、Amazon Alexaと同等の高度なチャットボットを簡単に構築できるようになります。

そしてこのAmazon Lexの驚くべき点は数分で独自のチャットボットが作成される点にあります。
これはAmazon Lexが使いやすいコンソールを提供していることから実現した利点の一つであり、利用すべきフレーズをいくつか用意するだけで、音声やテキストを使用して対話をすることができるようになるのです。
もちろんNLUにより優れた自然言語モデルを構築し、質問や返答など高度なタスクを完成することができます。

実際のサービスの作成画面を是非一度拝見して頂きたいのですが、サービスを組み上げる為の専門の言語知識などは不要であり、簡単なやり取りを作成するだけであれば、幾つかのアクションと幾つかのフレーズを用意して設定するだけで利用が行えます。

例えばQ&A形式のチャットボットを作成するとなった場合には、ある程度のパターンを検討し、それに対応した複数のアクションを用意、設定する必要が出てくる為、規模が大きくなればなるほど作成における利便性は複雑化してしまいます。
しかし、この複雑で優れたサービスをスクラッチ開発するという場合と比較した場合、その費用対効果は想像を遥かに超えるものになると言えるのではないでしょうか。

また、Amazon Lexの大きな利点としてAWSサービスとの統合を先程挙げましたが、実際にはAWA Lambda、AWS MobikeHub、Amazon CloudWatchとの統合が提供されています。各サービスの詳細はここでは割愛しますが、Amazon Lexを利用する上でより簡単に、そしてより有効に利用する為のサービスとの統合が容易である点は大きな利点と言えます。

また、Amazon CognitoやAmazon DynamoDBなど、AWSの他のプラットフォームの多くとも簡単に統合できるようになっています。さまざまなサービスを利用している中でチャットボットが必要になった時、またその逆で、チャットボットが必要であり、なおかつその他のサービスが必要になった時に、Amazon Lexという選択肢を選ぶことで、その他の付随したサービスの選択肢の多さと工数の削減ができることは大きなメリットと言えるでしょう。

ユースケース

Amazon Lexのユースケースとしては、以下のようなものがあります。

コールセンターの問い合わせ業務における対応

複雑な問い合わせに対応する事は難しいですが、ある程度対応の決まったサービス、例えば会員情報の変更手続き、利用サービス状況の照会などは容易に対応する事ができます。

情報ボット

例えばニュースや天気予報などの日常的に更新される情報は、消費者の問い合わせに対応して特定の情報などを返答するボットも容易に構築ができます。これは、冒頭で挙げたLINEの公式アカウントなどが例として該当します。

最後に

今回Amazon Lexの内容と利点を挙げてきました。既に生活する上でチャットボットを利用した事がある人は、この便利と不便さを肌に感じていることでしょう。

便利さとは、速さや簡単さだと言えます。問い合わせに対してすぐに返答があり、また音声やテキストで簡単に問い合わせる事ができます。
逆に不便さとは、問い合わせの範囲が限定される事です。ある質問には対応できず、仕方なくオペレーターや別の問い合わせフォームからの問い合わせが必要になる場合を経験した事もあるでしょう。そういった限定的な所を如何に少なくできるかということが、このAmazon Lexを利用する上での課題になるでしょう。
しかし、その課題をクリアする事で消費者には素晴らしいサービスを提供でき、開発者には工数削減という大きなメリットを享受する事ができるのです。

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