EC2とは?その料金形態について

はじめに

近年では、AWS、Azure、GCPといった様々なクラウドがIT業界で多く活用され、今ではそのサービスに対する知識を問う資格もある程、知っていると強みになるようなものとなっています。本記事では、そのなかでもAWS(Amazon Web Service)が提供するクラウドサーバーEC2と、その料金形態について取り上げていきたいと思います。

EC2とは?

まず、EC2について簡単に説明をしていきます。
サーバーの導入方法についてはいくつか手段があり、その中でも特に昔は、自分たちで実物を購入し、それをラックに組んで使う、オンプレミスサーバーという方法でありました。しかしその方法では、サーバーの運用や保守といった部分も自分たちでおこなわなければならないため人員や費用などを要しました。その他のサーバー導入手段でも、間借りで安く利用できるレンタルサーバーという方法もありましたが、複数で1つのサーバーを使用している事もあり、例えばある一時に利用している複数のアクセスが集中してしまったりすれば、全体のスピードが落ちてしまうなどの影響もありました。

そこで、クラウドサーバーという便利なシステムが誕生したわけなのですが、最大のメリットとしては、好きな時に様々な選択肢やオプションなどからカスタマイズされたサーバーを、仮想サーバーというかたちでとても手軽に利用開始できるという点です。また、先述のオンプレミスの方法をとる中で必要不可欠であった”運用や保守”といった管理の面で、今回のAWSの場合でいえば、AWS側が運用保守をおこなってくれるため、維持や管理といった面での費用を抑えることができるといった点もあります。更に料金面での特徴を言えば、”固定課金”ではなく、”従量課金”という点があります。この”従量課金”制であるおかげで、扱う内容の規模に応じて使いたい分だけ自由に設定することが可能なのです。

さて、AWSで提供されているクラウドサーバー構築サービスとして「EC2」という名前がついており、正式には「Elastic Compute Cloud」という名前が略され呼ばれています。ここでは、1台のサーバーに対し、1つの「インスタンス」として提供されています。そしてその利用料金に関しては、もちろんインスタンスの台数やスペックによって変わる部分もありますが、他にはどのような料金形態が用意されているのでしょうか。それでは見ていきましょう。

EC2の料金形態について

EC2の料金形態は代表的なものが3通りあります。AWSのEC2公式ページによると更に2パターンの、計5パターンに分かれておりますので、より詳しく知りたいからは是非公式ページも参考にしてみてください。

①オンデマンドインスタンス

利用したら利用した分だけ、というスタイルです。インスタンスの性能ごとの料金を、長期契約という形式ではなく、時間や秒単位で支払うことができます。短期間に利用したい場合やインスタンスを試験的に使用してみたいケースなどには、無駄に多くの固定費を支払う必要がなく、変動費だけに抑えることができるため適しています。

②リザーブドインスタンス

オンデマンドとは違い、期間契約型です。期間は1年と3年で設定することができ、長期契約割引のようなかたちで、オンデマンドより安く済ませる事ができます。オンデマンドなどでインスタンスの種類を試した上で、長期的にしばらくはインスタンスを変えることはないと判断した場合などにも適しており、これを活用する事で最大でオンデマンドより72%安くなるという事です。また、特定のアベイラビリティゾーンにあらかじめ使用するであろうキャパシティを予約しておくこともでき、万が一キャパシティを増やしたい場合でも確保された分を使えて安心できる点もポイントです。

③スポットインスタンス

EC2内の”空き”キャパシティを活用する形式になります。空きとは、その名の通り他の誰にも使われていない領域で、余っている範囲のことです。これを活用する事で、オンデマンドよりも最大90%安く利用することも可能になります。ただし、万が一他リザーブドインスタンスユーザーなど、違うユーザーが新たにキャパシティを増やしたいとなった場合などはそちらを優先させることになり、スポットインスタンスで利用している側のインスタンスは中断されてしまいます。そのようなリスクも踏まえ、中断しても差し支えのないシステムを扱う場合などに採用されることが多いです。逆に、ゲームやデスクトップで常にオンライン稼働させるようなシステムを扱う場合には向いていません。

これまでは大きく3つの料金形態を見ていきましたが、ちなみにAWSにアカウント登録してからは、1年間などの期間制やストレージの容量の上限制などで、無料で利用できる枠も用意されています。AWSを勉強されている方はまずそちらを是非使ってみてはいかがでしょうか。

おわりに

いかがでしたでしょうか。EC2や、更にAWS全体の料金に関しては様々なオプション料金や料金体系が用意されており、特にAWSの勉強をしはじめた方には、全てを詳しく把握するのは難しい事かと思います。しかし、AWSを利用するにあたり、ある程度のコストの知識がないと、知らずのうちに無駄なコストをかけてしまうこともあるでしょう。今回はEC2の料金体系をおおまかにでも知っていただけることで、ケースに応じた支払い方法を選ぶ参考にしていただければ幸いです。最後まで読んでいただきありがとうございました。

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