AWS(Amazon Web Service)認定クラウドプラクティショナーについて

はじめに

インフラをはじめとしてクラウド化が進んでいる昨今、クラウドコンピューティングサービスでシェア1位を誇るAWS(Amazon Web Service)。
今回はその認定資格であるAWS認定プラクティショナーについて解説します。

そもそもAWSとは?

AWS認定プラクティショナーの概要を説明する前に、AWSとは何か大まかに理解しておきましょう。AWSはインターネット通販大手のAmazonが提供するクラウドコンピューティングサービスで、当初はAmazonが自社の在庫管理や膨大なデータ分析を行うために構築したインフラやアプリケーションを一般ユーザー向けに公開したのが始まりです。当初は2種のサービスのみ提供されていましたが、そこから次々と新たなサービスの提供が始まりました。現在は仮想サーバーやデータベース、オンラインストレージといった、クラウドサービスとしては一般的なものから、IoTやMachine Learningといった最先端技術に関するものまで、120種類以上の多種多様なサービスが提供されています。利用者はなんと世界中で数百万人、日本だけでも10万人以上います。

AWS認定プラクティショナーの概要

AWS認定プラクティショナーは11種類あるAWS認定資格の一つで、受験者の想定レベルとしてはAWSの使用経験が6ヶ月以上あることを想定しています。AWSの主要サービスについての技術やセキュリティーの知識だけでなく、利用料金や請求といった決済についてやクラウドそのものに関する基礎知識も求められ、エンジニア以外でも、IT系の営業やマーケター、AWSに興味があるすべての人に入門編として最適な資格です。AWSの資格としてはエントリーレベルに位置しています。AWS関連の認定資格では人気が1番人気になっています。なお、AWS認定プラクティショナーの上位資格としてAWS認定ソリューションアーキテクト・アソシエイトがあります。

認定によって検証される能力・メリット

・AWS クラウドとは何かということ、並びにベーシックなグローバルインフラストラクチャについて定義できること
・AWS クラウドのベーシックなアーキテクチャ原理が説明できること
・AWS クラウドの価値提案について説明できること
・AWS プラットフォームの主なサービスと一般的なユースケース(ex:コンピューティング、分析など)について説明できること
・請求、アカウントマネジメント、料金モデルを明確に理解していること
・ドキュメントや技術サポートのソースを特定できること(ex:ホワイトペーパー、サポートチケットなど)
・AWS クラウドにおけるデプロイと運用のベーシックで重要な特徴を説明できること

推奨される知識と経験

・テクノロジー、マネジメント、販売、購買、またはファイナンスの分野で最低6ヶ月のAWSクラウド使用経験ある(※”最低6ヵ月のAWSの使用経験”とありますので、実務経験でなくとも受験可能です。書籍や公式サイトの各種資料などでしっかりと試験対策をすれば、業務経験が未経験でも合格を目指すことができるでしょう。)
・IT サービスのベーシックな知識と、AWS クラウドプラットフォームにおける、それらのサービスの使用に関する知識がある=取得するメリットとして、AWSに関する全体的な理解を効果的に説明できようになることで、社内で技術な信頼を確立できたり、顧客からAWSの相談対応に役立ちます。また営業の方であれば、エンジニアとのやりとりはスムーズに運ぶようになります。AWSの料金体系やサポートメニューの選び方などにも詳しくなれるでしょう。

AWS認定プラクティショナー合格に向けた学習方法

AWS認定プラクティショナーに特化した参考書やオンライン動画教材が多数販売されています。AWS公式サイトではサンプル問題(英語)もありますが、その他にも日本語のホワイトペーパー(概要や知識をまとめた白書)や動画形式のデジタルトレーニングも無料で提供されているので、自分にあった学習方法が選べます。

・資格対策本でAWSの学習をする

AWS認定試験の学習におすすめな参考書をご紹介いたします。

◆AWS認定資格試験テキスト AWS認定クラウドプラクティショナー
AWSでの構築経験を持つ著者によって書かれた参考書です。試験範囲となる4つのカテゴリー「クラウドの概念」「セキュリティ」「テクノロジー」「請求と料金」の知識が丁寧に解説され、合格のポイントとなる知識を深めることができます。
価格 :2380円+税
著者 :山下光洋/海老名寛之 著
出版日:2019/04/20
出版社:SBクリエイティブ

◆図解即戦力 Amazon Web Servicesの仕組みと技術がこれ1冊でしっかりわかる教科書
AWSの参考書では理解が難しい方やIT初心者向けの参考書です。AWSの概要やEC2、S3、VPC、RDSといったAWSの代名詞ともいえるサービスを中心に解説がされています。これらのAWSのベーシックなサービスの特徴は試験範囲に含まれていますので、AWSの触れたことのない人や、一部のサービスしか使用していない人にもおすすめな参考書となっています。
価格 :1980円+税
著者 :小笠原種高 署
出版日:2019/11/07
出版社:技術評論社

・AWS公式サイト サンプル問題

AWS公式サイトに、AWSクラウドプラクティショナー 試験のサンプル問題が10問あります。
こちらのサンプル問題は英語のみになります、ですので和訳が必要になってしまいますが、試験前にテストの難易度を確認して見て頂ければと思います。

・AWS公式サイト デジタルコースで学習

AWS公式サイトの無料デジタルコースでAWSクラウドの基礎の学習が可能です。
※音声は英語ですが日本語字幕も表示可能です。

 内容
・コースの紹介(1分)
・AWSクラウドの概念の紹介(20分)
・AWSの主要なサービス(45分)
・AWSの統合サービス(100分)
・AWSのアーキテクチャ(30分)
・AWSのセキュリティ(50分)
・料金をサポート(30分)
・コースのまとめ(1分)
・コース最後の知識の確認(30分)

・AWS公式の模擬試験

AWS公式の模擬試験も用意されており、受験料は2,000円で問題数は20問、試験時間は30分です。試験本番と同じような流れで受験できるので、本番前に1度受けておくと良いでしょう。
また、AWSには多くのサービスで無料利用枠があるので、それらを利用し、教材に沿って実際に自分の手でAWSのサービスを動かしながら学習していくという方法がおすすめです。仮想サーバーサービスのAmazon EC2では12ヶ月間750時間/月の無料利用枠があり、オンラインストレージサービスのAmazon S3は12ヶ月間で5GBまでの無料利用枠があります。このようにサービスごとに無料利用枠の適用条件が異なるので注意が必要です。

試験について

AWS認定プラクティショナーの試験時間は90分で、全65問出題されます。受験料は11,000円(税別)で英語、日本語、韓国語、中国語 (簡体字)で受験できます。
試験は「クラウドの概念」「セキュリティ」「テクノロジー」「請求と料金」4つの分野について問われ、それぞれ問題の比重が28%、24%、36%、12%となっています。
出題される問題は選択形式となっていて「4つの選択肢のうち、3つの誤答を除いた1つの正解を選ぶ」といった択一選択問題と、「5つの選択肢のうち、2つの正解を選ぶ」といった複数選択問題の2つの形式で出題されます。
試験の最高得点は1000点で、700点以上取得で合格となります。
また、全65問のうち、統計的な情報を得るために出題され実際には採点されない問題が出ることがあります。ケアレスミスで失敗しないために1問1問しっかりと問題を読み込んで回答し、試験時間に余裕があれば回答を見直すことが大切です。
試験の合否は試験終了時にテスト画面に表示されます。点数や詳細な試験結果は、受験完了から5営業日以内にAWS Certificationアカウントの「過去の試験]」から確認可能です。
テストは全国各地にあるPSIテストセンターかPearson VUEテストセンターで試験の予約を入れることで受験できます。土日開催も行っているテストセンターもありますが、テストセンターはAWS認定プラクティショナーだけでなく様々な試験を同時に開催することが多く、基本的に試験の予約は先着順なので、受験を決めたら学習スケジュールを立て、早めに予約しておくのが良いでしょう。なお、急遽試験が受けられなくなってしまった場合でも、試験日の24時間前であれば予約の変更が可能です。

合格すると特典がある

・デジタルバッジがもらえます。
・模擬試験1回分が無料になるバウチャー(クーポン)がもらえます。
・試験1回分が50%OFFになるバウチャーがもらえます。
・認定者限定のラウンジに入れます。
・認定者限定のストアに入れます。

まとめ

今回はAWS認定プラクティショナーについて解説しました。AWSの注目度がどんどん高まるにつれて、資格があることは自分の能力をアピールする大きなポイントになります。AWSだけでなくクラウドの知識も深められるので、エントリーレベルの資格試験としてはかなりおすすめの資格になります。 今回のまとめが皆さんの参考になれば幸いです。

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