Amazon Translateってどんな特徴があるの?

はじめに

皆さん、英語は得意ですか?私は少し苦手です。ちょっとした英文でも自分が頭の中に思い浮かべている和訳が正しいか不安になり、つい翻訳サイトを使ってしまいます。しかし、英文を翻訳した翻訳サイトの日本語文がちょっと不自然ということも多く、翻訳された文章を「多分こういうことが書いてあるんだろう」と自分なりに脳内変換した経験がある方も多いですよね。そんな状態でビジネスメールを海外の方とやりとりするのは不安ですよね。正確に翻訳して欲しいけど……という方のために、今回はAWSが提供する「Amazon Translate」について解説します。

そもそもAWSとは

Amazon Translateの解説の前に、AWS(Amazon Web Services)について大まかに説明します。AWSはAmazonが提供しているクラウドコンピューティングサービスの総称です。もともとAmazonが自社用に構築したシステムを公開したもので、サーバーやストレージ、データベースをじはじめとして、160種類以上のサービスを提供しています。AWSはクラウドコンピューティングサービスのシェア世界第1位で、Amazonが利用しているサーバーを使っているという安心感もあり、個人だけでなく世界中の名だたる大企業もAWSを導入しています。

Amazon Translateとは

Amazon TranslateはAWSのサービスとして2017年11月に限定公開され、2018年4月に一般公開されました。サポートされている言語間で翻訳するためのニューラル機械翻訳(Machine Translation=MT)サービスのことです。英語や中国語といった多数の話者がいる言語はもちろん、現在は54の言語間で翻訳をサポートしてくれます。各国特有のブランド名やキャラクター名、芸能人の名前といった固有名詞も翻訳可能です。
次はAmazon Translateの特徴を見ていきましょう。

Amazon Translateの特徴は?

Amazon Translateの特徴をいくつか挙げてみます。

■Google翻訳との差別化

基本的にGoogle翻訳は無料で使うことが可能ですが、Google翻訳はそのものにはAPI(Application Programming Interface)の提供ではありません、その代わりにCloud Translationを使用します。APIは上記のように対応している言語が多いことが特徴のためGoogle翻訳で対応できない多くの言語に対応することが可能です。また不自然な文章、文脈にならないようカスタム機能のあるため幅広く使用することが可能です。

■ニューラル機械翻訳を採用したシステム

Amazon Translateはニューラル機械翻訳(ディープラーニングを適用した翻訳システム)を採用しています。従来の統計ベースやルールベースの翻訳アルゴリズムよりも、ディープラーニングで文章全体を理解ていくので、正確かつ自然な翻訳ができます。また、ディープラーニングのおかげでユーザーがAmazon Translateを使えば使うほど、システムが言葉や文章のニュアンスを学習して使いやすくなっていきます。

■言語特定機能

言語の特定機能を使うと、言語コード(文章に使われている言語を指定したコード)がない場合でも文章を入力するだけで自動的に言語を特定してくれます。こういうちょっとした手間が省けるのも嬉しいですよね。

■カスタム用語機能

カスタム用語機能を利用することで、翻訳時に特定のジャンルや業界で使われている用語や名称を自由に設定できます。この機能を使うと、Amazon Translateの通常の翻訳とは無関係に、毎回設定した用語や名称がそのまま翻訳後の文章に適用されます。なお、設定した用語や名称は作成時に暗号化され、作成したユーザーのみアクセス可能となります。
※注意事項
・カスタム用語はブランド名、製品名などの固有名詞をリストに限定して使用する必要があります。
・カスタム用語は大文字、小文字が区別されルため、登録する場合はそれぞれ登録が必要です。
・登録した用語に複数の訳語を設定してはいけません。
・一部の言語では訳語に適していないため、一部の言語では単語の形が大幅に変わります。

■リアルタイム翻訳

文章を入力すると同時に指定した言語に翻訳してくれます。この機能のAPI(外部アプリケーションと連携し機能を共有するもの)を利用し、顧客対応時に外国語で入力されたチャットをすぐに翻訳し、カスタマーサポートに役立てている企業もあります。

組み合わせて有効に利用できるAWSサービス

・Amazon Polly (文章を音声変換するサービス)
→翻訳されたテキストを使用して文章を読み上げることが可能なため、話すことが可能なアプリケーションを作成できます。

・Amazon S3 (データの保存を取得が行えるオブジェクトストレージ)
→翻訳されたドキュメントのリポジトリ(保存庫)を作成することができます。

・AWS Elasticsearch (分散検索/分析エンジン)
→コンピュータ運用に関わる作業をクラウド業者が行い、利用者に対して適応しながらElasticsearcを利用して多言語検索を作成できます。

・Amazon Lex(アプリケーションが用対話型インターフェイス)
→多言語を用意てチャットボット、テキストと音声を利用した多言語の対話することができるインターフェースを構築することができます。

・AWS Lambda (サーバーについて検討することなくコードを実行)
→動的Webコンテンツの局地化することができます。

上記であげたもの意外にもAWSサービスを組み合わせることが可能です。組み合わせることにより新しいサービスを作ること、企業がビジネスやサービスについて抱える問題や不便な点を解消することが可能です。既存のAWSサービスとの連携ができることで拡張性に優れており、他の翻訳サービスと差別化することができます。こちらもAmazon Translateの魅力だと思います。

■従量課金制

Amazon Translateの料金は、翻訳した文章の文字数に応じた従量課金制です。
また、AWSのアカウントを作成(クレジットカードの登録)が必要になります。しかし、翻訳時にシステムエラーが発生してしまった場合など、エラーが要因で翻訳できなかった際には課金されないので安心です。料金については下記でもう少し詳しく解説します。

従量課金制だけど料金の目安わかるの?

気になる料金は、100万文字あたり15USDとなります。(※空白文字を含む)日本円に換算すると、3000文字程度であれば約5円で翻訳できる計算です。

通常の翻訳サービスを提供している会社の場合だと、1回の翻訳が一文字5円〜(ビジネス文章だとより高額になる場合もあり)で料金が請求されることを考えると、かなりお手軽と言えるでしょう。料金の例から確認できますので参考にして頂ければと思います。

なお、AWSに登録するとAmazon Translateで1ヶ月200万文字分の翻訳が12ヶ月間無料で使える「無料利用枠」もありますので、まずは試してみたいという方も安心して利用できます。※有効期限が切れてしまった場合や、アプリケーションでの使用量が無料の利用枠を超過してしまった場合は従量課金性での標準料金が発生しますのでご注意ください。

まとめ

Amazon Translateは、言語のカスタマイズできることで、用語ごとに自動翻訳できます。チャットなどでのやりとりの時にも即時に翻訳できることによってビジネスシーンでも大変役に立ちます。また、日本語を含め多くの言語に対応しているため個人として利用する翻訳サービスとして利用することもできます。AWSサービスとの連携さることでビジネスシーンで問題解決する上で大いに役に立ちます。是非一度、Amazon Translateをしてみて頂ければと思います。
今回はAmazon Translateについて解説しました。まだ比較的新しいサービスではありますが、私たちが日常的に使え、AWSの他サービスと組み合わせてユニークな使い方もできるので、今後が期待されるサービスの一つです。この記事が参考になりましたら幸いです。

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