Deep Learningの 活用例って?

はじめに

最近よく耳にする「Deep Learning」という単語。「よく聞くけど、機械学習に何か関係がありそう」といったぼんやりとしたイメージを持っている方も多いはずです。そこで今回は、Deep Learningがどんなものか、身近な活用例とあわせて解説します。

Deep Learningとは?

Deep Learningは機械学習の手法の一つで、日本語では「深層学習」と言われます。ざっくりいうとDNN(Deep Neural Network)という、人間の脳をモデルに神経回路を人工的に多層構築化したものです。ざっくりとはいえかなり難しいですね。
Deep Learningをつきつめて簡単に例えると、「膨大な学習データをコンピューターに読み込ませ、自動で適切なデータやパターンをアルゴリズム(ある問題を解決するための手順・方法)をもとに抽出してくれる人間の脳をモデルにしたシステム」といえます。

今までの機械学習では、データを処理する際は何らかの特徴やパターンを人間があらかじめ指定する必要がありました。しかし、Deep Learningの場合はそのままデータをあげるだけで、そのデータをコンピューター自身が分析し、特徴やパターンを抽出してくれるのです。様々なデータが活用でき、アルゴリズムの種類も様々で、目的によって使い分けられています。どんな使い方をされているかわかった方がイメージしやすいので、次は活用例を見てみましょう。

Deep Learningの活用例って?

実は意外に身近なところに使われているDeep Learning。以下のような活用例があります。

■スマートスピーカー

Amazonが販売している「Amazon Echo」やGoogleが販売している「Google Home」に代表されるスマートスピーカーには、Deep Learningの音声認識技術が使われています。人間が発した言葉をコンピューターが認識し、音声データを蓄積、データベース化して人間が何を求めているのか(=人間が自分に何を命令したか)を学習し、実行していくというものです。

音声認識技術が利用されているサービスは他にもあり、例えば顧客の音声を認識し、その要望に合わせて物件を紹介するという不動産会社のスマートフォン向けアプリも登場しています。この音声認識技術はDeep Learningの中でもかなり研究が進んでいる分野なので、いずれ人間がスマートスピーカーに恋愛相談ができるようになる日も近いかもしれません。

■翻訳
Google翻訳で音声入力を用いて翻訳する際もDeep Learningの自然言語処理技術が使われています。自然言語処理とは、人間が書いた(話した)言葉をコンピューターが認識し、実用的に扱えるよう処理する技術です。こちらもコンピューターが大量のデータを分析し、様々な文章のパターンを学習していくことで、より自然な翻訳が可能となっていきます。また、Skype翻訳では自然言語処理と音声認識を連携してリアルタイム翻訳を可能としています。

■株価予測
証券会社ではDeep Learningを用いた株価予測サービスを利用している企業がいくつかあります。データの一例としては「過去の始値、高値、安値、終値」があり、それらをコンピューターに学習させ、株価の値動きをパターン化させ、将来の株価を予測していく、というシステムです。過去のデータを分析してパターンを発見していくのが得意であるDeep Learningを効果的に用いた活用例と言えるでしょう。

■SNS
多くの人が楽しんでいるSNSでもDeep Learningが活用されています。Facebook社では「Deepface」という顔認識システムを用いて画像に写っている人の顔を判別し、画像投稿時にタグ付を勧めます。また、Twitterにおいてはユーザーの呟きをデータとして収集し、コンピューターに学習させ、そのユーザーの趣味や嗜好にあった情報を提供しています。

■自動運転車
現在、Deep Learningの情報認識精度はかなり高いレベルに到達しています。しかし、自動運転車のような最高度の安全性が求められるものはより一層高い精度(=たくさんの学習)が求められます。そんな自動運転車に必要とされる学習の一例として、数千時間を超える動画や数千万枚の静止画といったデータが必要で、近年はそういったデータの入手が容易となったため、コンピューターにも学習させやすくなり、自動運転車も高い安全性が確保された状態で運行が可能となりました。

まとめ

いかがでしたか?今回はDeep Learningがどんなものか、活用例とあわせて解説しました。あらためて考えると、意外と身近に使われていると感じた方も多いのではないでしょうか。Deep Learningが私たちの周りでどんな使い方をされているかがわかれば、イメージも掴みやすくなりますよね。今まであまり意識していなかったけれど、これからは少しだけ「このサービスにもDeep Learningが使われているかも?どんな風に活用されているのかな?」と考えてみるだけでも少し楽しめるのではないでしょうか。

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