OneNoteをSharePointで活用する!そのメリットも紹介

OneNote(ワンノート)というソフトを聞いたことがある人は多いと思います。マイクロソフトが提供している電子ノートで気軽に記録できるデジタル版のノートブックです。しかし、OneNoteについては、聞いたことはあるけど使ったことがない人も多く、実はご自身のパソコンにもインストールされているのすら知らない、という方も少なくないようです。

そこで、今回はOneNoteの便利な使い方や、OneNoteをWeb上で共有できるSharePoint(シェアポイント)についてもご紹介します。OneNoteとSharePointのご紹介も含めて、以下の内容について説明していきます。

●OneNoteとSharePointとは、それぞれどのような製品なのか?
●OneNoteとSharePointは、それぞれどのように導入するのか?
●OneNoteをSharePointで共有するメリットは?

特にオフィスや学校などで、ドキュメントなどの共有や管理を検討されている方は是非ご覧ください。

はじめに

最初に、OneNoteとSharePointについて、それぞれご説明していきます。

OneNoteとは

OneNoteとは、マイクロソフト社が提供しているデジタルノートアプリケーションです。OneNoteはノートブックと呼ばれ、簡単に表現すればパソコン用の電子ノートといえます。このOneNoteは、WordやExcelほどの知名度はありませんが、2003年の「OneNote 2003」のリリースを皮切りに長らくマイクロソフトから提供されてきました。
特徴としては、Wordが決まった位置から順番に文字などを入力していくのに対し、OneNoteはまさしく手書きのノートのようにどこからでも入力が可能です。OneNoteとWordの位置づけとしては、例えば学生や研究者が論文を執筆する場合に、まず、情報収集やその情報の整理をOneNoteで行い、その後Wordで論文を清書していくという使い方などが一般的に見受けられます。
また、企業などではプロジェクトの初期段階において、ブレーンストーミングなどのアイデアを出し合う作業に、各自が思いつく案をOneNoteで出し合い、それをパワーポイントにまとめ、プロジェクトメンバーに展開していく使い方などもあります。このOneNoteは、2014年にWindows/macOS用に無料版も公開されています。実際の導入などについては後述で紹介します。

SharePointとは

SharePointとは、マイクロソフト社が提供している情報共有やその管理をするためのソフトウェアです。SharePointには大きく分けて、利用者側のサーバー(オンプレミス環境)で稼働させるサーバー製品と、マイクロソフト社のクラウド環境で稼働するSharePoint Onlineの2種類があります。
SharePointの主な機能を簡単に説明していきます。

OneNoteやWordなどのドキュメント管理

OneNoteなどのドキュメントファイルをSharePoint上にアップロードして、権限を与えられたユーザーだけがそのファイルを操作できます。SharePoint上で複数のユーザーが同時に操作できるため、ミーティングで各自が発言した内容を自分で記事録に記入したり、複数名での共同作業などの場面で共通のエビデンスをWordやExcelで作成したりできます。

ポータルサイト(チームサイト)の作成

会社などのセクション(部や課など)単位や、プロジェクト単位でポータルサイトを作成できます。このポータルサイトの単位でセキュリティが守られ、対象外のユーザー(例えば該当プロジェクト外のユーザー)は閲覧させないなどの管理もできます。
ベースとなる数種類のテンプレートもデフォルトで装備されており、これらを流用して工数をかけずにそのグループのポータルサイトを作成できます。

ワークフロー

プロジェクト内の共同で実施する業務単位で、その業務の流れをシステム上で整理し、各タスクをフローごとに完了・未完了などとして業務の遂行を管理できます。

OneNoteとSharePointの導入方法

続いて、OneNoteとSharePointの各ソフトウェアの導入方法を説明していきます。

OneNoteを導入する

OneNoteには、主にOneNote for Windows10とOneNote 2016との2種類があります。
OneNote for Windows10は、その名の通りWindows10が搭載されているパソコンにはプレインストールされています。OneNoteと一般的によばれているものは、このOneNote for Windows10を示しています。対してOneNote 2016は、Microsoft Office 2016に包括されていましたが、Office 2019からは削除されてしまいました。ただし、Office 2019とOneNote 2016の併用は可能です。
OneNoteとOneNote 2016には機能に相違がありますが、今回はOneNote 2016をSharePointのサイトで共有する手順を後述でご紹介します。なお、OneNoteはマイクロソフトのストアサイトからも無料でインストールできます。

SharePointを導入する

SharePointの導入については、本サイトの「OneDriveとSharePointはどう違う?活用方法も紹介」の「SharePointの導入方法」で紹介していますので、ぜひそちらをご覧ください。

OneNoteのSharePointでの活用方法

OneNoteとSharePointを導入したあとは、SharePointでOneNoteを活用していきましょう。

OneNoteをSharePointで活用する

OneNoteをSharePointのサイトで活用すれば、会社などの組織内でのセクション(部課)やプロジェクト内での情報共有がより円滑に進むことが予想されます。そこで、ここではOneNoteをSharePointで共有する方法とそのメリットについてご紹介していきます。OneNoteをSharePointで共有できれば、そのノートブックを会社や部課などの組織で共有のドキュメントとして使用できます。

SharePoint上で共有できるOneNoteのノートブックを作成する手順は以下のとおりです。
1. OneNoteを開きます。
2. [ファイル]>[新規]>[SharePoint]の順にクリックします。
3. [参照]をクリックします。
4. 保存したいドキュメント ライブラリに移動します。
5. [ノートブック名]に名前を入力して[作成]をクリックします。
作成後にそのノートブックのリンク先をメールなどで展開すると、そのSharePointのサイトにアクセス許可を持つユーザーであれば誰でもそのノートブックをアクセスできます。また、誰かが編集更新した場合に通知が送信されるような設定も可能です。

OneNoteをSharePointで活用するメリットは?

SharePointでは、契約者である組織(会社や学校など)のためのサイトコレクションと呼ばれるWeb上のエリアが与えられ、その中で契約者が任意にサイトと呼ばれるエリアをグループ単位(部課やチームなど)で作成できます。各ユーザーが実際にSharePointにアクセスして、共有しているOneNoteのノートブックを閲覧したり編集したりできるエリアがサイトです。このサイトは最上位のサイトを筆頭に、ピラミッドのような階層構造を設定でき、上位サイトからその配下に複数のサイトを作成できます。従って、このサイトの構造を利用してSharePointのサイト内にOneNoteのノートブックなどのコンテンツを格納することで、別途OneNoteで閲覧権限や編集権限などを設定しなくてもSharePointのサイトのアクセス権限がOneNoteのノートブックに適用されます。
例えば、ある企業でSharePointを導入した場合、最上位のサイトは会社役員にだけアクセス権限を与え、その配下に部単位でのサイトを設置し、同じように部長クラス以上にそのアクセス権限を与え、さらに課、係、チームと下の階層にサイトを設置すれば、各階層レベルのアクセス権限がそのままそのサイト内のOneNoteのノートブックなどのコンテンツのアクセス権限となり、あらためてOneNoteで閲覧権限などを設定する必要がなくなります。

このようにSharePoint上でOneNoteを導入することで、最上位の企業トップの階層のサイトから、最下層のチーム内などのサイト単位でコンテンツの情報共有ができ、そのなかでも利便性が高いコンテンツがWordやExcelより入力に規制の少ないOneNoteのノートブックといえます。OneNoteのノートブックは、前述したように文章記入やメモ書きレベルのイラストなど、紙のノートのように自由に記載できるため、会議なでの議事録に利用するのはもちろんのこと、学校での学生と教員の日誌のやりとりや、同じクラスや部活などの単位での学生同士の連絡網などのやり取りにもフレキシブルに利用できます。

今回はSharePoint上でのOneNoteの利用についてご紹介しましたが、SharePointについてはあまりにも技術的範囲がひろく、アプリやライブラリなどの説明については、書籍でも記載しきれないほど複雑になりますので、また別の機会に色々なSharePointの利用についてご紹介できればと思います。

まとめ

今回は、OneNoteをSharePointで使用するケースについてご紹介しましたが、SharePointではOneNoteに限らず、WordやExcelといったマイクロソフトのその他のドキュメント作成ソフトにもOneNoteのような活用ができますので、ぜひ応用してみてください。前述したように、SharePointについては機能が多く、技術的な範囲が広いため、また別の機会に他の機能についてご紹介させていただきたいと思います。最後までこの記事をお読みいただきありがとうございました。

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