OneDriveとSharePointはどう違う?活用方法も紹介
はじめに
OneDriveとSharePointはMicrosoft Officeを利用するビジネスマンや企業をサポートしてくれる頼もしいサービスです。
しかし、OneDriveとSharePointとはそもそも何なのか、OneDriveとSharePointにはどのような違いがあるのか、よくわからずに困っているという人は多いでしょう。
そこで、今回は
- OneDriveとSharePointとはそれぞれどのようなサービスなのか
- OneDriveとSharePointにはどのような違いがあるのか
- OneDriveとSharePointを導入するにはどうすれば良いのか
- OneDriveとSharePointを活用する方法としてはどのようなものがあるのか
について解説・紹介します。パソコンでの業務をよりスムーズに進めたいと考えている人は、ぜひご覧ください。
OneDriveとSharePointとは
まず、OneDriveとSharePoint、それぞれのサービスの特徴について解説します。
OneDriveとは
OneDriveとは、インターネット上に用意された自分専用のデータ領域に文書ファイルや画像ファイルなどを保存しておくことができる、Microsoft社が提供しているオンラインストレージサービスです。インターネット環境とパソコンやスマホなどのデバイスさえあれば、外出先でも目的のファイルへスムーズにアクセスできます。
その上、OneDriveに保存したファイルは自分以外のユーザーと共有することもできるので、遠くにいる人ともスムーズにファイルの受け渡しをすることが可能です。
またインターネットに接続できない環境でも、閲覧したいファイルについてはローカルに保存することでオフラインの環境でも使用でき、インターネットに接続した際には自動で同期されるためスマホやタブレットでも安心です。
ちなみに、OneDriveには個人向けの「OneDrive」と法人向けの「OneDrive for Business」の2種類があります。それぞれのベーシックプランの特徴は、以下の表に示すとおりです。
OneDrive | OneDrive for Business | |
使用アカウント | 個人アカウント | 組織アカウント |
標準初期ストレージ容量 | 5GB | ユーザー1人あたり1TB |
管理者機能 | 弱 | 強 |
SharePointとは
SharePointとは、Microsoftが提供しているファイル・情報共有サービスです。主な機能について紹介していきます。
主な機能
ポータルサイトの構築
部署やプロジェクトなどのチームごとにポータルサイトを作ることができ、SharePoint に用意されているテンプレートにポータルサイトを作成し、情報共有や管理が行えます。
ドキュメントライブラリ
ドキュメントや画像の共有、重要な書類の保管を行えます。
ワークフロー
複雑になりがちな業務を流れとしてまとめてくれます。業務処理の改善やミスの防止、業務の進捗管理が容易になります。
検索
全文検索やエンタープライズ検索が可能で目的のファイルへすぐにアクセスすることができます。
文書管理機能
文書管理機能でバージョン管理が行えます。
リストの使用
リストは、予定表やアンケート、掲示板、タスクなど様々な情報をデータベースとして管理できます。
なお、SharePointには社内システムとしてWindows Serverを構築してその中に組み込んで利用する「SharePoint」と、MicrosoftSharePoint ServerをMicrosoft社がホスティングをしているクラウドサービス「SharePoint Online」の2種類があります。
前者を利用するには自社内で構築・運用をする必要がありますが、自社環境に合わせてSharePointServerを構築したりアプリケーションを開発したりすることによって利便性を追求できます。
後者の「SharePoint Online」であれば、Microsoft 365の中のサービスでクラウドサービスとして提供されています。システムそのものは、Microsoftのデータセンターで稼働しているため、サーバーを設置する必要はありません。PCやスマホ、タブレットなどのデバイスとインターネット接続環境があれば何処ででも作業を行うことができます。
なお本記事では以降SharePoint Onlineで解説します。
OneDriveとSharePoint の違いとは
OneDriveもSharePointも複数のユーザーが同じファイルを共有できる上、同時編集もできるという点で非常によく似たサービスであると言えるでしょう。
しかし、OneDriveではSharePointのようにポータルサイトを立ち上げることはできません。また、ファイル管理の利便性もSharePointに軍配が上がります。もし、組織で利用できるファイル共有サービスを探しているというのであれば、SharePointを導入した方が良いで
しょう。
ただ、個人のファイルを保存しておく大容量フォルダーが欲しいというのであれば、OneDriveで十分です。OneDriveとSharePointの両方を導入しておくのが最も便利で安心ですが、ビジネススタイルに合わせてOneDriveとSharePointを使い分けても良いでしょう。
OneDriveとSharePoint の導入方法
続いて、OneDriveとSharePoint、それぞれのサービスの導入方法を解説します。
OneDriveの導入方法
OneDriveはOneDriveアプリをインストールし、Microsoftアカウントでログインすることによって利用できます。Windows PCやMacBookはもちろん、スマートフォンやタブレットでも利用可能です。なお、Windows 10であれば、OneDrive とOneDrive for Businessの両方をセットアップできます。その場合、OneDriveは白色のクラウドマーク、OneDrive for Businessは青色のクラウドマークで表示され、それぞれを使い分けることが可能です。
ちなみに、Microsoft 365を導入したりSharePoint Onlineを導入したりすると、より高い機能が搭載されたOneDrive やOneDrive for Businessもセットで導入できます。
OneDrive とOneDrive for Businessのプラン及び料金は以下の表のとおりです。
OneDrive for BusinessPlan1ユーザー/月相当540円
プラン | 料金 | |
OneDrive | Microsoft 365 Personal | 1か月あたり1,284円 |
OneDrive 100GB | 1か月あたり224円 | |
OneDrive Basic 5GB | 無料 | |
Plan2 | ユーザー/月相当1,090円 | |
Microsoft 365 Business Standard | ユーザー/月相当1,360円 |
SharePointの導入方法
SharePointはSharePointアプリをインストールし、Microsoftアカウントでログインすることによって利用できます。なお、SharePoint Online はWindows PCやMacBookはもちろん、スマートフォンやタブレットでも利用可能です。
ちなみに、Microsoft 365を導入するとSharePoint Onlineもセットで導入できます。
SharePoint Onlineのプラン及び料金は以下の表のとおりです。
プラン | 料金 |
SharePoint Online プラン 1 | ユーザー/月相当540円 |
SharePoint Online プラン 2 | ユーザー/月相当1,090円 |
Microsoft 365 Enterprise E3 | ユーザー/月相当2,170円 |
OneDriveとSharePoint の活用方法
OneDriveとSharePointの両方を活用すれば、あらゆる業務をスムーズに進めることができるようになります。OneDriveとSharePointの両方を活用する方法、または片方を活用する方法として、特に覚えておきたいのは次の5つです。
- OneDriveとSharePoint 間でファイルを共有する方法
- OneDriveとSharePoint を同期する方法
- 外部のユーザにファイルを共有する方法
- 共有するファイルをダウンロード禁止にする方法
- SharePointのサイトを外部ユーザーと共有する方法
以下より、それぞれの方法について解説します。
OneDriveとSharePoint 間でファイルを共有する方法
OneDriveとSharePointとでファイルを共有したい場合、いずれかのサービス上でファイルを「コピー」し、もう一方のサービスに「貼り付け」、もしくは「コピー先」としてもう一方のサービスを選択することによって簡単にファイルを共有できます。また、いずれかのサービス上でファイルの「移動先」を選択し、「宛先の選択」で移動先のサービスを選択すれば、ファイルをサービス間で移動させることが可能です。
OneDriveとSharePoint を同期する方法
OneDriveとSharePoint が同期するように設定しておけば、わざわざファイルのコピーや移動の操作をしなくても、両方にファイルを保存することができます。OneDriveとSharePointを同期させる手順は、以下のとおりです。
1.SharePointを開く。
2.同期したいサイトを選択し、「ドキュメント」をクリックする。
3.「同期」をクリックする。
4.OneDriveの使用許可を要求されたら、許可をする。
5.同期したいフォルダーを選択して「OK」をクリックする。
外部のユーザにファイルを共有する方法
OneDriveとSharePointはどちらも外部のユーザにファイルを共有することもできます。どちらを利用していても共有させる手順は、以下の通りです。
1.外部のユーザに共有したいファイルを選択し、画面の上部にある「リンクのコピー」または「共有」をクリックする。
2.「リンクのコピー」を選択した場合は「コピー」をクリックすれば、共有リンクがコピーされるので、共有したい人にメール等で教える。
「共有」を選択した場合は共有したい人のメールアドレスを入力して送信します。
共有するファイルをダウンロード禁止にする方法
前述したファイルの共有と併せて行いたい設定になります。SharePointやOneDriveでこの設定をした場合は、閲覧することは引き続き可能ですが、共有されたファイルのダウンロードはできなくなります。どちらを利用していても共有させる手順は、以下の通りです。
1.対象のファイルを選択し、画面上部の「共有」をクリックする。
2.「すべてのユーザー」(ダウンロード禁止にしたい対象)を選択し、「編集を許可する」のチェックを外す。
3.「ダウンロードを禁止する」のチェックを付ける。
SharePointのサイトを外部ユーザーと共有する方法
複数のファイルや情報を取引先と共有したい場面もあるでしょう。その場合はサイトを外部と共有することも可能です。サイトを共有する手順は、以下のとおりです。
1.SharePointの画面から「サイトのアクセスを許可」を選び、権限を割り当てる。
2.「サイトの共有」をクリックする。
3.メールアドレスを入力する欄が出てくるので、共有したいユーザーのメールアドレスを入力して「追加」をクリックする。
また、共有される側の手順は、以下のとおりです。
1.メールが飛んでくるので、メールの本文内のリンクをクリックするとログイン画面に遷移する。
2.Microsoftアカウントを持っている人の場合は「Microsoftアカウント」を選びログインする。
なおMicrosoftアカウントを持っていない場合も作成すれば、目的のサイトにアクセスすることができます。
まとめ
OneDriveとSharePointの両方を活用すれば、大人数がバラバラの場所で作業をしていたとしても、1つの業務をスムーズに進めることができます。今回ご紹介したOneDriveとSharePointの違いや導入方法、活用方法を参考に、ぜひOneDriveとSharePointの両方を活用してみてくださいね。