Microsoft SharePoint Serverの機能と特徴について

はじめに

企業向けファイル共有・情報共有のためのサーバー製品として注目されるMicrosoft SharePoint Serverについて、機能や特徴をまとめました。

Microsoft SharePoint Serverとは

Microsoft SharePoint Serverとは、マイクロソフト社が提供するMicrosoft SharePointに含まれるファイル共有・情報共有のためのサーバー製品で、OfficeアプリケーションやInternet Explorerといったブラウザと連携し、文書管理やデータ集計、ポータルサイト形式での情報共有などができるとともに、ユーザーが選んだwebパーツを付けることでユーザー独自のサービスとして使用する事も可能です。

特に、Microsoft Office製品との連携という部分では類似するツールに比べて有利であると言えます。類似するツールはものによって複雑な設定をしてからでないと連携できないということが起こり得ます。それに対し、SharePointはMicrosoft社のツールであるため、複雑な設定をする必要はないです。これにより、SharePointからワードやエクセルのファイルを確認できたり、Outlookにスケジュールの連携やメールでの通知が行えるようになります。逆説的にいうと、Microsoft社製のSharePointと他社のツールを連携させる際は一部うまくいかない場合があります。

なお、オペレーティングシステムとしてWindows Server、アプリケーション実行環境としてASP.NET、データベース管理システムとしてMicrosoft SQL Server、WebサーバとしてInternet Information Servicesが実行環境として必要です。実際にSharePointを使えるようにするまで、膨大なプログラミングをしなければならないかとというとその必要はないです。設定自体は、一部、サーバ上でコマンドプロンプトから設定する必要がありますが、それ以外はコードを書くのではなく画面でGUI設定をするだけです。
Microsoft SharePoint Serverは自社内にサーバーを設置するオンプレミス形式ですが、マイクロソフトのサーバー上で稼働するクラウドを使ったSharePoint onlineというサービスも提供されています。

先述の「Microsoft SharePoint Server」と「SharePoint online」はどちらもメリット、デメリットがあるのは確かです。オンプレミスである「Microsoft SharePoint Server」は外部からデータの確認をすることは不可能です。社内ネットワークを使うのであれば特定の場所から接続は可能です。逆説的にいうと、「SharePoint online」はクラウド上のサーバであるため、社内と社外からの接続は可能です。また、バージョンアップという観点でも「Microsoft SharePoint Server」は手動でアップデートをしなければなりません。大幅なアップデート(新バージョンの発売)は3~5年程度で販売されますが、それを購入してアップデートしなければ旧バージョンを使用し続けることになります。一方で「SharePoint online」はマイクロソフト社のクラウド上のサーバにSharePointサーバを間借りするようなイメージです。細かなアップデートなどはマイクロソフトで行うことになり、大幅なアップデートも事前の通知はありますがこちらもマイクロソフト社で行うこととなります。しかしながら、契約自体は年単位で月額費用を支払う契約をするため、毎年更新をしなければSharePointを使うことはできなくなります。一概にどちらがいいとは言い切れませんが、企業や組織の規模、社内でSharePointの構築や運用ができるかという点を踏まえて選択して頂く必要があります。

Microsoft SharePoint Serverはどのような用途で使えるのか

具体的にどのような用途で使えるのか、Microsoft SharePoint Serverの数ある機能の中でもメインとなるSharePointの機能を中心に紹介します。

今までは部署やプロジェクト、もしくは個人で業務の進捗や顧客データなどを管理していたものが、Microsoft SharePoint ServerのポータルサイトであるSharePointの機能を使ってまとめて管理・共有することができます。

例えば、社内や部署全体に共有したい情報は「お知らせ」としてサイトTOPページに表示しておく、掲示板機能を使い細やかなトピックスの情報共有や質問を行う、子ページとしてプロジェクトごとの進捗管理共有ページを作成して各メンバーの業務遂行状況を把握しやすくする、アンケート機能を使って従業員の声を聞き、要望や問題点を洗い出す(アンケートは匿名投稿の設定も可能)といったことも可能です。

その他にもワークフローという機能があります。SharePoint上で書類を作成し、それを承認申請するという機能です。例えば見積書を作成したとします。SharePointを使わず申請をした場合、メールなどで書類を作った旨を連絡し承認されるのを待つという流れになるかと思います。この流れをSharePointで行った場合、書類の同時編集も行えるため誰かが見積書を開いていて加工できないという点が解消されます。また、設定次第で承認者に見積書の承認申請が発出された旨や、申請者に見積書の承認がされた旨の連絡が送られるようになります。SharePoint以外で行った場合、承認まで行われたのかどうか分からないという点がなくなることでしょう。

SharePointは目的に応じてwebパーツを自由にカスタマイズでき、インターフェースもわかりやすく、誰でも簡単に使うことができます。

また、SharePoint内に保存されたofficeファイルはメンバーで共同編集ができるので、内容確認までの時間や引き継ぎ時間が短縮され、業務効率改善が見込まれます。
例えば、この機能がなかった場合どうでしょうか。エクセルでしたらファイルサーバ上で、共有設定をしておくと問題ないのでは?と思う方もいるかもしれません。しかしながら、共有設定しても何故か編集できないであったり、保存がうまくできないという事象がしばしばあります。SharePointであればそれらの心配がなくなります。また、これらのofficeファイルには編集した履歴を持っています。そのため、誰がいつ編集したのかを確認することも可能です。万一、ファイルの編集を誤ってしまった場合、過去の履歴に遡ってファイルを復元させることのできます。

ファイルの編集という意味合いでは、部署やプロジェクトにおいて、多くの人がファイルを使用することが想定されます。
例えば、人によってファイルを編集させたくないであったり、閲覧させるだけのファイルを作りたいということもあるかと思います。そこでSharePointは人によってファイルを編集させない(特定の人のみ編集可能)であったり、閲覧だけを許容するということも可能となります。重要な書類であるほど、編集してしまって後々面倒なことになってしまうというリスクが生じてしまいます。そのようなリスクを回避できる点でも有効であると言えます。
さらに、それぞれのユーザーが個人のサイトを持つこともできます。この機能を利用することで、個人的なブックマークを作成する、タスク管理を行う、ブログを作成して自分を知ってもらう、SNSのように同僚同士でフォローしあい、投稿されたブログや画像に「いいね!」を送り気軽にコミュニケーションを取れるというメリットもあります。

その他の機能として、様々なデータを保管することうちに誤った改変をしてしまうといったリスクも発生しますが、作成された掲示板やドキュメントにはデータの改訂履歴が自動的にシステム内に記録される「バージョン履歴管理機能」が適用となり、改訂履歴が閲覧できます。それを基にデータの復元も簡単にできるので、万が一誤ったデータに改変が行われた場合も正しいデータへの修正が容易です。

Microsoft SharePoint Serverの特徴について

Microsoft SharePoint Serverではサーバー内情報の全文検索が可能で、検索対象はドキュメントに留まらず、Webサービスを経由して接続することができる外部のデータベースやサーバー内にあるオンプレミスコンテンツも対象になります。また、SharePoint内においても掲示板のスレッドといった各アイテムにエンタープライズキーワード(タグのようなもの)を追加しておくことで、ドキュメント本文だけでなく該当キーワードに紐づく情報の検索が可能となります。
SharePointの場合、パッケージの製品を利用するというよりも、SharePointを使って自らが表示させたい情報やデザインを設定するため、必要最低限の設定をしておくだけで使用します。市販のパッケージ製品を購入すると、必要最低限ではなくいろいろな機能が中に入っています。そのため、使わない機能もついてくるため、結局は使いこなせずもとの手作業に戻ってしまうというケースがあるのも確かです。
よって、Microsoft SharePoint Serverは自社のナレッジやデータをまとめておく総合データベースとしても最適といえるでしょう。

まとめ

今回はSharePointを中心にMicrosoft SharePoint Serverの主な機能や特徴を紹介しました。Microsoft SharePoint Serverはファイル共有・情報共有機能だけでなく、業務効率改善効果や従業員のコミュニケーションポータルとしても高いポテンシャルを有しています。
また、様々な形式のデータを横断する形で検索できるデータベースとしても使用するなど、使用目的に合わせて簡単に機能を追加・編集できる自由度の高い使い方が可能です。

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