Microsoftが提供する「Microsoft 365」その価格はどのくらい?
昨今では働き方改革により、リモートワーク、テレワークを推奨する企業も増え、クラウドサービスを活用して、在宅での業務を行うことが増えてきました。今回はそのクラウドサービスの一つ。Microsoft社が提供している「Microsoft 365」の導入コストについて解説していきます。
Microsoft 365とは?
Microsoft 365は米国時間2011年6月28日よりリリースされたクラウドサービスです。Microsoft社が提供する各種ツールをはじめ、業務遂行を支援するツール、サービスを利用することで作業効率を向上、円滑化することが期待できます。またMicrosoft 365はサブスクリプション(月額/年間契約)で提供されるクラウドサービスになっており、自動更新によって更新が行われます(更新途中でのキャンセルも可能)。
これまでのOfficeとは異なり買い切り型ではないですが、その分サービスが続く限り最新状態のツールを利用できるので、セキュリティ上の安全性も高く、リモートワーク、テレワークにも最適です。
具体的に提供される基本ツール、サービスは以下の通りです。
・Microsoft社のOffice製品(Excel/Word/PowerPointなど)が最新バージョンで利用できる
・セキュリティが最新の状態なので損害に強く、安全性が高い
・一つのライセンスによって複数のデバイスでMicrosoft 365を利用できる
・OneDriveの大容量ストレージの利用とファイルの共有による閲覧、更新がPC、タブレット、スマートフォンで可能
Microsoft 365の導入コストは?
Microsoft 365はサブスクリプション(月額/年間契約)で提供されるクラウドサービスですが、サービスを提供するユーザーによって価格が異なります。
各ユーザーの内訳は以下を参照ください
・家庭向け
・一般法人向け
・大企業向け
・教育機関向け
・非営利団体向け
ここでは各ユーザー毎に提供されるサービスと価格について解説します。
家庭向けMicrosoft 365
個人、家庭での使用を想定したMicrosoft 365です。個人で利用可能なMicrosoft 365は「Microsoft 365 Solo」となり、名前の通り1人での利用が対象です。米Microsoftでは「Microsoft 365 Home」という家庭向けのMicrosoft 365もありますが、今回は「Microsoft 365 Solo」に絞って解説していきます。
プラン | Microsoft 365 Solo |
価格(月額) | 1284円/月 |
価格(年間) | 12984円/1082円(月換算) |
最大ユーザー数 | 1人 |
使用可能デバイス | Windows PC、Mac、タブレット、スマートフォン (Windows、iOS、Android) など、同一ユーザーが使用するすべてのデバイス (同時に 5 台までサインイン可能) |
利用可能なツール、サービス | Outlook、Word、Excel、PowerPoint、Publisher (Windows PC のみ)、MicrosoftAccess (Windows PC のみ)、OneDrive(1TB分)、Skype |
一般法人向けMicrosoft 365
企業などの一般法人での使用を想定したMicrosoft 365です。各3つのプランがあり、各ツールとチーム間での共有を可能とするベーシックな「Microsoft 365 Business」。各ツールと充実したサービスを利用可能な「Microsoft 365 Business Premium」。サービスのみの利用となるリーズナブルな「Microsoft 365 Business Essentials」が用意されています。特に「Microsoft 365 Business Premium」と「Microsoft 365 Business Essentials」は「Microsoft Teams」が含まれており、リモートワークにも対応が可能です。
ただし、これら3つのプランは1ユーザーからの価格となります。またプランにつき300人までの利用を上限とし、それ以上のユーザー数となると大企業向けMicrosoft 365の「Microsoft 365 ProPlus」への移行が必要です。
プラン | Microsoft 365 Business | Microsoft 365 Business Premium | Microsoft 365 Business Essentials |
価格(月間) | 1080円(ユーザー/月) | 1630円(ユーザー/月) | 650円(ユーザー/月) |
価格(年間) | 10800円/900円(ユーザー/月換算) | 16320円/1360円(ユーザー/月換算) | 6480円/540円(ユーザー/月換算) |
最大ユーザー数 | 300人 | 300人 | 300人 |
使用可能デバイス | Windows PC、Mac、タブレット、スマートフォン (Windows、iOS、Android) など、同一ユーザーが使用するすべてのデバイス (同時に 5 台までサインイン可能) | Windows PC、Mac、タブレット、スマートフォン (Windows、iOS、Android) など、同一ユーザーが使用するすべてのデバイス (同時に 5 台までサインイン可能) | タブレット、スマートフォン (Windows、iOS、Android) など、同一ユーザーが使用するすべてのデバイス (同時に 5 台までサインイン可能) |
利用可能なツール、サービス | Outlook、Word、Excel、PowerPoint、Publisher (Windows PC のみ)、MicrosoftAccess (Windows PC のみ)、OneDrive(1TB分) | Outlook、Word、Excel、PowerPoint、Publisher (Windows PC のみ)、MicrosoftAccess (Windows PC のみ)、Exchange、OneDrive(1TB分)、SharePoint、Microsoft Teams | Exchange、OneDrive(1TB分)、SharePoint、Microsoft Teams |
大企業向けMicrosoft 365
社員数が多い大企業での利用を想定したMicrosoft 365です。各4つのプランがあり、価格に応じて利用可能なツールとサービスが異なりますが、多数での共同利用を想定したサービスが充実しています。価格は年間契約のみからとなり、1ユーザーからの価格となる点は一般法人向けと変わりませんが、利用ユーザー数に上限がありません。またセキュリティとサポートが充実しているので、機密情報の保持に関して安全性が高いことが特徴の一つです。
プラン | Microsoft 365 ProPlus | Microsoft 365 E1 | Microsoft 365 E3 | Microsoft 365 E5 |
価格(年間) | 15600円/1300円(ユーザー/月換算) | 10440円/870円(ユーザー/月換算) | 26040円/2170円(ユーザー/月換算) | 45720円/3810円(ユーザー/月換算) |
使用可能デバイス | Windows PC、Mac、タブレット、スマートフォン (Windows、iOS、Android) など、同一ユーザーが使用するすべてのデバイス (同時に 5 台までサインイン可能) | タブレット、スマートフォン (Windows、iOS、Android) など、同一ユーザーが使用するすべてのデバイス (同時に 5 台までサインイン可能) | Windows PC、Mac、タブレット、スマートフォン (Windows、iOS、Android) など、同一ユーザーが使用するすべてのデバイス (同時に 5 台までサインイン可能) | Windows PC、Mac、タブレット、スマートフォン (Windows、iOS、Android) など、同一ユーザーが使用するすべてのデバイス (同時に 5 台までサインイン可能) |
利用可能なツール、サービス | Outlook、Word、Excel、PowerPoint、Publisher (Windows PC のみ)、MicrosoftAccess (Windows PC のみ)、OneDrive(1TB分) | Exchange、OneDrive(1TB分)、SharePoint、Microsoft Teams、Yammer、Stream | Outlook、Word、Excel、PowerPoint、Publisher (Windows PC のみ)、MicrosoftAccess (Windows PC のみ)、Exchange、OneDrive(1TB分)、SharePoint、Microsoft Teams、Yammer、Stream | Outlook、Word、Excel、PowerPoint、Publisher (Windows PC のみ)、MicrosoftAccess (Windows PC のみ)、Exchange、OneDrive(1TB分)、SharePoint、Microsoft Teams、Yammer、Power BI、Stream |
教育機関向けMicrosoft 365
教育機関の利用を想定したMicrosoft 365です。利用ターゲットが学生と教職員であるため、価格が安いだけでなく「Microsoft 365 A1」に関しては無料で提供されます。ただし、利用するには認定を受けた教育機関であることの証明が必要になります。
プラン | Microsoft 365 A1 | Microsoft 365 A3 | Microsoft 365 A5 |
価格(年間/学生) | 無料 | 3240円/270円(ユーザー/月換算) | 7800円/650円(ユーザー/月換算) |
価格(年間/教職員) | 無料 | 4200円/350円(ユーザー/月換算) | 10440円/870円(ユーザー/月換算) |
使用可能デバイス | Windows PC、Mac、タブレット、スマートフォン (Windows、iOS、Android) など、同一ユーザーが使用するすべてのデバイス (同時に 5 台までサインイン可能) | Windows PC、Mac、タブレット、スマートフォン (Windows、iOS、Android) など、同一ユーザーが使用するすべてのデバイス (同時に 5 台までサインイン可能) | タブレット、スマートフォン (Windows、iOS、Android) など、同一ユーザーが使用するすべてのデバイス (同時に 5 台までサインイン可能) |
利用可能なツール、サービス | Outlook、Word、Excel、PowerPoint、OneNote、Exchange、OneDrive、SharePoint、Microsoft Teams、Sway、Forms、Stream、Flow、PowerApps、School Data Sync (プラン 1)Microsoft学校データ同期、Yammer | Outlook、Word、Excel、PowerPoint、OneNote、Publisher (Windows PC のみ)、MicrosoftAccess (Windows PC のみ)、Exchange、OneDrive、SharePoint、Microsoft Teams、Sway、Forms、Stream、Flow、PowerApps、School Data Sync (プラン 1)Microsoft学校データ同期、Bookings、Yammer | Outlook、Word、Excel、PowerPoint、OneNote、Publisher (Windows PC のみ)、MicrosoftAccess (Windows PC のみ)、Exchange、OneDrive、SharePoint、Microsoft Teams、Sway、Forms、Stream、Flow、PowerApps、School Data Sync (プラン 1)Microsoft学校データ同期、Bookings、Power BI、Yammer |
非営利団体向けMicrosoft 365
非営利団体の利用を想定したMicrosoft 365です。規模に応じて中小規模向けと大規模向けの2種が用意されており、ツールとサービスはおおよそ一般法人向けと大企業向けのものが利用できます(利用可能ユーザー上限も同様)。ただし、非営利団体として国からの認定が必要になります。
中小規模向け
プラン | Microsoft 365 Nonprofit Business Essentials | Microsoft 365 Nonprofit Business Premium |
価格(年間) | 寄贈版/無料 | 4290円/330円(ユーザー/月換算) |
使用可能デバイス | – | Windows PC、Mac、タブレット、スマートフォン (Windows、iOS、Android) など、同一ユーザーが使用するすべてのデバイス (同時に 5 台までサインイン可能) |
利用可能なツール、サービス | Exchange、OneDrive、SharePoint、Microsoft Teams | Word、Excel、PowerPoint、Outlook、Publisher (Windows PC のみ)、MicrosoftAccess (Windows PC のみ)、Exchange、OneDrive、SharePoint、Microsoft Teams |
大規模向け
プラン | Microsoft 365 Nonprofit E1 | Microsoft 365 Nonprofit E3 | Microsoft 365 Nonprofit E5 |
価格(年間) | 寄贈版/無料 | 6370円/490円(ユーザー/月換算) | 18240円/1520円(ユーザー/月換算) |
使用可能デバイス | – | Windows PC、Mac、タブレット、スマートフォン (Windows、iOS、Android) など、同一ユーザーが使用するすべてのデバイス (同時に 5 台までサインイン可能) | Windows PC、Mac、タブレット、スマートフォン (Windows、iOS、Android) など、同一ユーザーが使用するすべてのデバイス (同時に 5 台までサインイン可能) |
利用可能なツール、サービス | Exchange、OneDrive、SharePoint、Microsoft Teams | Word、Excel、PowerPoint、Outlook、Publisher (Windows PC のみ)、MicrosoftAccess (Windows PC のみ)、Exchange、OneDrive、SharePoint、Microsoft Teams | Word、Excel、PowerPoint、Outlook、Publisher (Windows PC のみ)、MicrosoftAccess (Windows PC のみ)、Exchange、OneDrive、SharePoint、Microsoft Teams |
まとめ
ここまで団体によって利用可能なMicrosoft 365が異なることや利用したい機能に応じて価格が異なることを説明してきました。
作業を効率化させて業務負荷を軽減したい。テレワーク、リモートワークの環境を整備して働き方を変えたいと考えている方々には、画期的な機能を網羅したクラウドサービスがあることが伝わりましたでしょうか。こちらが参考の一助になれば幸いです。
ご検討の際は必ずMicrosoft公式サイトをご確認ください