SharePointの承認ワークフローで業務改善

はじめに

ファイルや情報を共有するツールとして知名度の高いマイクロソフトが提供しているSharePointですが、実は業務効率化の為の機能もあり、ワークフローの作成も可能です。今回はSharePointの承認ワークフローを使用するメリットと、更に便利に使う為のサービスについてご紹介いたします。

ワークフローとは?

ワークフローとは、業務に関する一連のやり取りや流れを図式化したものを指します。例えば、備品を購入する際、欠品した備品の購入希望者が、上司へ購入承認依頼を行い、上司の承認後は部門長の承認をいただき、その後備品購入担当者へ購入依頼が行われ、備品の購入が行われる流れがあるでしょう。この流れを図式化したものをワークフローといいます。SharePointでは、この承認を取るためのワークフローを作成することができ、SharePoint上で承認を行うことが可能です。

SharePointの承認ワークフロー

SharePointの承認ワークフロー機能は、SharePointで作成されたリストやライブラリに保存されているドキュメントを承認・却下するために指定したユーザーへ回覧できる機能です。

SharePointの承認ワークフローのメリット

コスト削減

SharePointでワークフローを作成することで、申請書を電子化することができ、紙代、印刷代、郵送費を削減することができます。また、ペーパーレスの為、ファイリング・保管スペースも不要です。書類紛失のリスクも下げられるでしょう。

業務効率の改善

SharePointの承認ワークフローは、回覧・承認と却下タスクの割り当て・進捗状況の管理・アラームの通知が自動で実行されます。これまで口頭やメール等で承認依頼を行い、手作業で進捗を管理しなくてはならなかった業務を、SharePoint上で自動で実行されることで時間と労力を省力することができます。

意思決定のスピードアップ

パソコンやスマートフォンといった端末で承認・却下の処理が行えることで、いつでもどこでも意思決定をすることができるようになります。また、次の承認者や担当者へ自動で回覧依頼が行われる為、スピーディーな回覧が可能となります。

業務プロセスの可視化

申請・承認・決裁・実行に関わる人物やその流れがSharePoint上で可視化されることで、作業進捗が明確化されます。ワークフロー上の業務で問題が生じた時等の原因追及が容易となり、それぞれの役割への責任感を保つことにも一躍するでしょう。

人為的ミスの削減

SharePointで承認ワークフローを作成することで、次の回覧者へ自動で送付され、処理が行われていないタスクに対してアラームが通知される為、回覧依頼忘れや担当者間違い、承認忘れを防ぐことができます。進捗状況も管理できるため、確認忘れによる期限切れも防止することができるでしょう。

SharePoint承認ワークフローをカスタマイズ

SharePointでは基本的なワークフローを作成でき、それだけでも多くのメリットがありますが、それぞれの使い方にあったカスタマイズや他アプリケーションとの連携をすることによって、更に業務効率を上げることができます。

AppsWF for SharePoint Online

AppsWF for SharePoint Onlineを利用することで、SharePointで本格的なワークフローを作成することができます。SharePointのワークフローは欧米のビジネス文化に基づいているため、日本式のフローには対応しきれない点があります。例えば、承認タスクを人で割りあてることはできても、組織や役職名での割り当てができません。このようにSharePointの標準的なワークフローではカバーしきれていない機能を使用することができます。では、AppsWFの機能の一部をご紹介いたします。

差し戻し機能

申請内容の承認・却下以外に、申請者や指定した承認者の元へ差し戻しをすることが可能となります。差し戻しができることによって、再申請の為のワークフローの再発行が不要となり、修正が必要な一部分のみの修正で再申請できることで、申請業務に対する労力を削減できるでしょう。

代理申請・代理承認

承認ワークフローが電子化・オンライン化したことで、オフィスにいなくても申請・承認ができるようになったとはいえ、申請・承認者が会議等で長く申請・承認業務に取り掛かれないこともあるでしょう。その際に、代理人が申請・承認が行える機能を利用することができます。代理申請・承認機能があることで、予期できない急な体調不良や災害時にも業務をストップせずに継続することが可能です。

Flow

こちらもSharePointの基本的なワークフローでは不足している機能をカバーしてくれる製品です。ライセンス費用のみですぐに利用することができ、長年SharePointを使用してきた知見を元に開発された製品なので、管理負担が少ないとされています。では、Flowの機能の一部を紹介いたします。

台帳管理

資産管理や保有資格の棚卸の際などに、SharePointで承認を受けた申請書を利用することができます。条件ごとに格納先を指定することができ、承認者の承認後、自動で台帳の更新を行うことで、SharePoint上で一括管理を行うことができ、これまでメールやExcel等を使って手作業で行っていた管理業務を大幅に削減することが可能です。

Microsoft 365機能との連携

Microsoft 365のDelveとの連携によって、自分と関係の深いユーザが利用したワークフローを機械学習によって表示させることができます。利用状況に応じて、申請内容や設定を見直すことができ、システムの利活用を促すことができます。

おわりに

SharePointの承認ワークフローのメリットと、更に使いやすくするための製品をご紹介いたしました。自社で開発すると、開発のための学習時間やコストなども大きな負担となってしまいます。提供される製品を利用することで、コストや時間だけでなく、業務の効率化も図れるので、ぜひ検討してみてください。ありがとうございました。

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