SharePointのリスト作成の重要ポイントと使い方

はじめに

SharePointを社内の情報共有のために利用している企業も多いでしょう。SharePointの機能は多岐にわたり、使いこなせていない人も多いのではないでしょうか?今回はSharePointの機能のひとつである『リスト』機能と使い方についてご紹介いたします。

リストとは?

リストとは、SharePointで作成されたサイト上で情報共有を行えるデータの一覧です。データを管理するためにある仕組みで、簡易的なデータベースのようなものというイメージが近いです。Excelで作成するようなデータの一覧をSharePointで作成・編集・閲覧ができるので、顧客情報や売上情報等の管理といった使い方が可能です。サイトごとにリストを作成することができるため、リストの確認はSharePointのサイトに保存されます。簡易データベースという解釈を利用するとすれば、「列という定義を持ち、それらに型を設定することが出来る」という説明がしっくりくるでしょう。リストを構成する要素としては列、フォーム、ビューが挙げられます。リストを用いてデータ管理を実施することで、社内のネットワークにアクセスし、ファイルを探して閲覧するという労力を省力することができます。複数のユーザが効率よくデータを活用できるでしょう。

リストの使い方

リストを作成方法と作成する際の重要なポイントや使い方についてご紹介いたします。

リストの作成

SharePoint上で作成したサイトを表示し、歯車マーク(設定)から『サイトコンテンツ』を選択します。『+新規』を選択後、『リスト』を選択することでリストの作成が可能です。その後、名前や説明の入力画面が表示されますので、必要に応じて入力を行い、『作成』ボタンをクリックすることで、Excelでいうシートが作成されます。

データの入力

SharePointのリストを作成する際は、リスト化するデータの属性を設定することがポイントとなります。Excelでいうセルの書式設定から表示形式を選択するように、文字列なのか日付なのかといった形式を設定するということです。この属性の設定によって、さまざまなフィルターや並べ替え順序の変更によるデータの強調表示が可能となります。

列の種類

列はリストライブラリの中のアイテムに対して分類時などにビューを分かりやすくするために効果を発揮します。列を利用したアイテムの並べ替えや、グループ化、フィルターを使用した処理も行うことができます。また、アイテムに関するデータを自動的に計算し、その計算結果を表示することも可能です。列を使用することで他のユーザがリストまたは、ライブラリにアイテムを追加したときに、どの情報を入力するのか、あらかじめ指定することもできます。また必須項目などの設定も任意で実装することが出来ます。

リストまたは、ライブラリを作成すると自動的にタイトルや修正者などの情報が作成されます。この情報は必要に応じて追加することができます。作成した列によってそのフォームに表示されるフィールドとオプション、リストまたはライブラリに追加できる列が決まります。

属性情報となる列の主な種類についてご説明いたします。

1行テキスト

1行で収まる程度の短く、書式のないテキストを表示したい際は、この1行テキストを選択します。使い方としては、名前や部署といったテキストのみの場合や住所や口座番号といった文字列と数字の組み合わせ電話番号といった計算に用いることのない数字や文字のデータはこの1行テキストが適しています。

複数行テキスト

1行テキストでは収まりきらない長いテキストの場合は、複数行テキストを選択します。この列には最大で63999文字を格納することができるので、アイテムの説明文といった使い方が可能です。

選択肢(メニューから選択)

選択肢を設定することができます。Excelのドロップダウンリストのような機能です。サイト内でアンケート調査を行ったり、リスト内容を確認したかを入力する際などの使い方ができるようになります。

数値(1.1,0.100,100)

通貨や日付、文字列以外の数字を入力したい際は、数値を選択します。通貨であっても、高精度な計算を行いたい場合はこの数値という属性を選択する必要があるので注意が必要です。

通貨

高精度な計算の必要がない金額の値は通貨を選択します。数値列との異なる点は、計算において、小数点の左側15桁、小数点以下4桁までが認識されるという点です。

日付と時刻

カレンダーの日付や日付と時刻の両方のデータを入力した際に選択します。SharePointで作成したサイトの地域設定に則って日付と時刻の表示がされますので、外国時間の表示を行う際にはサイトの地域設定の変更が必要です。

Yes/No(はい/いいえ)チェックボックス

True or FalseやYes or Noの『はい』『いいえ』のデータを格納する場合はYes/Noを選択しましょう。『はい』の場合は1、『いいえ』の場合は0の数値に変換され、計算式に利用することが可能です。イベント出席するかどうかやタスクが終了しているかどうかの確認リストといった使い方ができます。この列ではチェックボックスを自動的にONにするか、しないかの選択が出来ます。

参照(このサイトにある既存の情報)

サイト内に既に格納されている情報やリストのデータを表示させたい場合は参照を選択します。サイト内に既に作成されているリストに登録されているデータしか登録できないようにしたい場合に有効な選択肢です。例えば、購入できる備品のリストが既にサイト内で作成されていたとします。購入したい備品のリストを作成したい場合、この参照を選択することで、購入できる備品リストに記載されている備品名のみが表示できるようになります。リストの使い方を考えた際、表示内容に制限をかけたい場合に有効な選択肢でしょう。

場所

Bing Maps、または組織のディレクトリから場所のデータを追加することが出来ます。この列には住所、市区町村、都道府県、国/地域、郵便番号、座標、名前などの情報に基づいてフィルター処理、並べ替え、検索を行うための追加の列が準備されています。

ユーザまたはグループ

ユーザがアイテムを追加、または編集する際に選択できるユーザとグループの検索可能なリストを提供する場合に使用します。この列は以下の方法でカスタマイズすることができます。

  • 複数選択できるようにする:

    ユーザが複数に及ぶ数のオプションを選択できるようにしたり、選択肢の数を1つだけに制限したりすることが出来ます。

  • ユーザのグループを含める、または除外する:

    リストに含めるユーザを個々のユーザのみにするのか、リストやグループを追加するかを指定することが出来ます。

ハイパーリンクまたは画像

Webページへのハイパーリンクを格納するときや、イントラネット、またはインターネット上で画像を表示する際に使用します。この列には表示したい情報のURLを格納します。ハイパーリンクとしてURLを表示したい場合にはハイパーリンクの書式を選択してください。

集計地(他の列をもとにした計算結果)

リスト、またはライブラリ内の他の列の計算結果のみに基づく情報を表示したいときに使用します。

外部データ

CRMアプリ、データベース、スプレッドシートなどの外部ソースからのデータを表示するときに使用します。

タスクの結果

タスクワークフローを使用するときに、承認者の他の選択肢を作成したいときに使用します。

管理されたメタデータ

サイトユーザが管理された用語の特定の用語セットから値を選択し、その値をコンテンツに適用できるようにする場合に使用します。

フォーム

フォームはデータの追加や編集、参照などを行うことが出来る画面のことを指します。フォームには基本的に以下の3種類が存在します。

新規投稿フォーム

その名前の通り新規で投稿するためのフォームとなります。各列に対して値を入力し保存ボタンをクリックすることで新しいアイテムを作成することができます。入力された値によって他の列を非表示にしたりという変更を施すことも可能です。軽微な見た目のカスタマイズをすることもできます。

編集フォーム

こちらも名前の通り編集をするためのフォームです。既にあるデータを編集するときに使用します。開くと既に登録されているデータが各項目に入っている状態で表示されます。ただし編集画面の見た目は新規登録画面とほぼ同じ作りになっているため、間違わないよう注意しましょう。

詳細フォーム

詳細フォームは既存データの各項目に設定された値を参照するためのフォームです。リストデータの一覧画面(ビュー)ではすべての列の値が表示されるわけではないため、このフォームを使用して参照を行うことになります。また、詳細フォーム内には画面上部のリボンに編集ボタンが用意されているので、編集したい場合にはそこをクリックすることで編集画面を開くことが出来ます。

ビュー

フォームの説明でも少し出てきたビューについて説明します。ビューはそのリストに登録されたデータを、一覧表示というユーザが見やすい形で表示する機能となります。保存されているデータが多い場合、全ての列を一覧画面の中に表示すると、区別しづらく分かりにくい状態になってしまいます。そうなるのを防ぐためにも必要な列のみ表示するようにしましょう。また、列の説明でも少し触れましたが、表示する項目を操作できるフィルター機能などもありますので必要に応じて使うことでビューがより見やすくなるでしょう。フィルター機能はExcelのフィルター機能と同じく昇順や降順の他にもチェックボックスを使用して表示するデータを絞り込むこともできますので適宜適用してみてください。

おわりに

今回は、SharePointのリストの作成の際に重要なポイントとなるリストの属性と属性を利用した使い方を簡単にご紹介いたしました。SharePoint上で情報を共有できることによって、社内のネットワークにつながっていない環境でもインターネット環境さえあればいつでもどこでも業務に取り掛かることができます。データを一覧化したリストを作成することができれば、情報確認をするための手間を省力することができるでしょう。リストの作成においては、リストの属性を整理することが重要です。属性整理のポイントを理解し、SharePointの有効な使い方を模索してみてはいかがでしょうか。ありがとうございました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です